日本中にいろいろなおみくじがありますが
神社にお詣りすると、やはり気になるのがおみくじ。老若男女を問わず「占い」にはロマンを感じますよね。「いいことあるかな?」とドキドキしながら引くのは、なんとなく期待感あふれて、こそばい感じがしますね。(私だけか?)
梨木神社のおみくじは、京都ならではの厳かな雰囲気の中で、これまた由緒正しき歴史を感じるおみくじです。ちょっと変わってますけど…
おみくじ以外にも梨木神社には訪れてほしい見どころがいろいろとあるのですよ。
文化を維持することの難しさ
平安京が開かれてから、今に至るまで、新しく興っては消えていく文化。平家物語ではないですけど、栄枯盛衰は世の常。
梨木神社にお詣りすると、文化、歴史継承の難しさがひしひしと伝わります。
何のことかと言うと…
では参拝してみましょう。
一番近いバス停は京都市バスの「府立医大病院前」で河原町通りにあります。その交差点を西に向かうと、梨木神社とでかでかと書かれていますので、すぐにわかると思います。きらきらと光り輝いてます。
西に向かっての正面は御所ですのでお間違いなく。梨木神社は北側です。
で、梨木神社の鳥居があるのですが、いきなり…
ど~ん。マンションがあって、参詣道が迂回してます。もともとはここをまっすぐ行けば神前に行けたのですが。
この土地は神社の境内だったのですが、神社の修繕のお金が集まらずに苦渋の策として土地を貸したのだそうです。なので、昔はここからまっすぐ一本道だったのですが、現在は「コ」の字型に迂回しなければならなくなりました。
これは、マンションがどうとかいうことではなく、きれいごとだけでは歴史や文化は継承していけないという、当たり前のことなのです。何事にも資金が必要だと言うのは、至極当然のことだと思います。(現状を見ると、地上げかなんかなのかとか、土地ころがしかとか思う方もいらっしゃるでしょうが、そうではなく合法的な建築物で所有者には非難されるようなところはありませんので、お間違いのないようにお願いいたします。)
マンションを迂回すると、こちらにも鳥居があります。ここが入り口です。
新緑の季節は格別の美しさです。すがすがしく心が洗われます。この景色を見るだけでも値打ちがあります。
梨木神社と言えば、何を隠そう、御手洗が一番有名です。
それもそのはず、これが有名な「染井」と呼ばれる、京都三大名水の一つなのです。昔から変わることなく水が汲める三大名水はここだけになってしまいました。実は下の写真の右側にも水が湧き出て流れているのですが、こちらは水汲み専用です。ポリタンクやペットボトルを持って遠くからも「染井」の水を汲みに来られます。日中は行列になることもあります。
こちらがご本殿です。萩の木が生い茂っています。この萩の木も有名です。
おみくじを引いてみよう
さあ、ここからが本題です。授与所(お守りや絵馬をいただくところ)の前に染井の水が汲みあげられています。さて、この水は何をするための水なのでしょうか。一般の神社では、御手洗は手や口を清めるためのものですが、この水は…
少し趣向の変わった、「水に浮かべると文字の浮き出るおみくじ」を引いてここで水に浮かべます。京都三大名水の「染井」で占うというのが、これまた京都らしいではありませんか。何とも風流ですね。
ということで、ぜひとも占ってみたかったのですが、授与所が午前9:00からということで、私は残念ながら引くことができませんでした。どんなんだろうなぁ~、気になるなぁ~、とずっと心残りです。ほんとに、残念無念です。どんなおみくじなのか、皆さん引いてみてください。
近々、再チャレンジしようと思っていますので、その時は必ずおみくじをアップします。
萩の花のこと
梨木神社の境内には、萩の木がたくさんあります。花が咲く時期はとってもきれいなんですよ。そして、ここには日本人として初めてノーベル賞を授与された湯川秀樹先生の萩の花を詠んだ歌碑があります。湯川先生はこの梨木神社の「萩の会」初代会長を務められました。萩の会は秋の「萩まつり」の時にもお抹茶席をご奉仕されたりと現在でも活動されているようです。
毎年9月に行われる「萩まつり」の時に参詣されてはいかがでしょうか。
アクセス
- 京都市バス「府立医大病院前」から徒歩約2分。
- 京都市バス「河原町丸太町」から徒歩約10分。