災害が少ない千年の都
平安遷都から1000年以上が経ちますが、京都という土地は災害が少ない土地だと思います。確かに、地震もあれば、川の氾濫や大火もありましたが、都はすたれることなく人々の生活は脈々と続いています。
平安遷都の時には、新しくできる都を守るためにいろいろな手段が取り入れられました。まずは何と言っても、鬼が出入りする方角であるとして、万事に忌むべき方角としている鬼門対策です。
京都御苑の北東の角、鬼門に当たる方角の角です。ここから梨木通りを南へ下がって、石薬師門から京都御苑に入ります。
石薬師門です。入って、真っすぐ西に向かって歩きます。しばらく歩くと御所の角が見えてきます。
ここは猿が辻と呼ばれるところで、御所の鬼門に当たり、土塀がへこんでいます。角(ツノ)を取って鬼を封じるという言い伝えがあります。
地面に突き立っているのは、落書き防止用のセンサーですのであまり塀に近づきすぎないように。
このへこんでいる部分を見に来ました。
屋根の上にはひまわりのような飾りがありますね。そこではなくて、屋根の下です。
金網の中に烏帽子を被って、御幣を肩に担いでいる神猿がいます。猿は神の使いとして外部からの侵入者を防ぐという信仰があります。「魔が去る」という風に考えられています。
このお猿が御所の鬼門を守っています。夜な夜な外へ出て、悪さをするので金網の中に閉じ込められたと言われています。やんちゃなんですね。
京都御苑の外
一番最初の画像で京都御苑の鬼門の角を載せましたが、その通り(寺町通から一本西の梨木通り)と今出川通りの交差点から、北の方を見てみます。すると、どん突きに「幸神社(さいのかみのやしろ)」が見えます。ここにも鬼門を守るお猿さんがいます。
そして、御所の鬼門のお猿さん、幸神社のお猿さんと線を引き、その線をずっと伸ばしていくと、赤山禅院にたどり着くのですが、ここでもお猿さんが都の鬼門を守っています。
そのまま、線を伸ばしていくと比叡山延暦寺の方向となります。都は何重にも守られているんですね。
昔から、鬼門は災いのやってくる方角だと恐れられてきました。平安京では鬼門の方角にはお猿さんが何重にも置かれています。都の守りは固いですね。
個々の家庭では鬼門の隅に南天の木を植えることが多いです。
御所に行ったときには、猿ヶ辻のお猿さんを見てきてください。京都に大きな災害がないのは、このお猿さんたちのおかげかもしれません。ごくろうさまのお声がけも忘れずに。
アクセス
- 京都市バス「同志社前」下車、徒歩3分