ビルの谷間にひっそりとたたずむ神社
京都市内も時の移り変わりとともにどんどん変化しています。昔の街並みが失われていくのはさみしいですが、仕方がないことでしょう。
下京区にある亀山稲荷神社です。ビルとビルの谷間にひっそりとあります。入口には立派な石碑があるので、前を通るとすぐに気づきます。
もともとは亀山藩京都松原邸があった場所です。その前は篠山藩で、そのまた前は広島藩だったそうです。
篠山藩の藩主であった、松平信岑(まつだいらのぶみね)が、亀山藩に転封となりました。それからここは亀山藩の京屋敷となったのです。信岑が亀山藩の藩主となった寛延元年(1748年)からということになります。
信岑が亀山藩主となって以降、歴代藩主は、幕府の要職に就き,京都火消役にもなり、譜代大名として京都監視の重責を果しました。
その後、明治政府が誕生すると、亀山藩は京都市中取締を勤めました。
亀山稲荷神社は亀山藩の鎮守社でしたが、明治以降、中野之町(なかののちょう)によって守られています。
中野之町による駒札です。
とっても立派です。
白瀧大明神(しらたきだいみょうじん)と花月大明神(かげつだいみょうじん)を祭神として祀っています。昔は両祠がありましたが,現在は一つだけです。江戸時代より衆人に尊崇され亀山講も存したとのことです。
一番奥に本殿があります。
お稲荷さんなので当然、商売繁盛の御利益があります。
横に、歌碑がありました。
「街角に残せし昔 木の実ふ□」 賛 郎□
と下の方はよく読み取れません。私は歌には疎いので誰の歌なのか詳細はわかりません。
京都市内には藩邸の跡があちこちあり、鎮守社だけが残っているところがたくさんあります。その社の多くは地域の方々が守っています。亀山稲荷神社は諸厄除災,商売繁昌,家庭円満の御利益があります。近くをお通りの際には一度お詣りしてください。
アクセス
- 京都市バス「烏丸松原」下車、徒歩5分
- 京都市営地下鉄「五条」下車、徒歩7分