聞きなれない名前
「ねじりまんぽ」っていわれても、なんかピンときませんよね。何かねじってあるというのはわかるのですが、じゃあ「まんぽ」って何? となりますね。
「まんぽ」とは「トンネル」のことです。トンネルがねじれているのです。聞いているだけだとなんだか崩れそうで怖いトンネルですね。
蹴上
三条通をずっと東へ行くと、「蹴上(けあげ)」を超えて九条山に到達します。
この「蹴上」に「ねじりまんぽ」があります。「蹴上」とはとっても怖い地名で、昔九条山には「粟田口刑場」があり、いやがる処刑者を蹴り上げて刑場まで連れて行ったことから「蹴上」と呼ばれていると伝えられています。また、源義経が、平家の武士九人を、馬が泥を蹴り上げて衣服を汚したといって切り捨てています。このことから「蹴上」と呼ばれるようになったとも伝えられています。
どっちにしろあまり縁起のいい場所ではないですね。
「ねじりまんぽ」は地下鉄の「蹴上」で下車して地上に出たところにあります。
蹴上の交差点です。進行方向が九条山です。正面の茶色い建物が地下鉄の出入り口です。
ねじれてる
地下鉄から出たのですが…
実は出口を間違えて、反対側に出てしまいました。道を横断できないこともないのですが、マナーを守って「蹴上」の交差点まで行って、横断歩道を渡りましたよ。
で、ようやく「ねじりまんぽ」に到達です。
そんなに長い「まんぽ」ではありません。
「雄観奇想」とかかれています。「雄観」は素晴らしい眺め、「奇想」は優れた考えという意味だそうです。第3代京都府知事の北垣国道(きたがきくにみち)による書だそうです。
早速、中に入ってみます。
下の方に装飾的な部分がみられます。けっこう手が込んでます。
なんとも渦を巻いているようで、吸い込まれそうな感覚です。異次元に飛ばされそうです。
このような積み方をすると、普通に積むよりも強度が出せるそうです。正式には斜拱渠(しゃきょうきょ)と呼ばれます。
反対側(南禅寺側)にでました。こちらには「陽気発処」と北垣国道の書が掲げられていますが、長年の風雨でだいぶんと薄くなって見えていません。「陽気発処」とは「朱子語類」に書かれており、「精神を集中して物事を行えば、どんな困難にも打ち勝つことができる。」という意味だそうです。
さて、「まんぽ」とはトンネルを指すのですが、特に鉄道の下をくぐるトンネルを指すそうです。じゃあ、この上にはどんな鉄道が走っているの?
ということで「まんぽ」の上に上がってみると。
お分かりのように、琵琶湖疎水の「インクライン」の線路があるのでした。とっても幅が広いです。
線路から見た「まんぽ」です。
まんぽの北側は疎水公園につながっています。
毎朝、この「まんぽ」を通って、東山高校、中学校の生徒たちが大勢通っています。明治にできた「まんぽ」は毎日多くの子供たちを見守っています。
アクセス
- 京都市バス「南禅寺・永観堂前」下車、徒歩15分
- 京都市営地下鉄「蹴上」下車、すぐ目の前
コメント
「ねじれまんぽ」と三岐鉄道北勢線「ねじり橋」と構造上(土木工学上)どう違のですか?いずれも興味があります。
砂﨑耕三 様
はじめまして。コメントありがとうございます。
う~ん、残念ながら私は工学部は工学部でも、電気電子系なので建築や土木に関しては、ずぶのど素人。
でも、コンクリートブロックとレンガの違いはあっても、理論的には同じ考え方ではないでしょうか。
Webで一般開示されている論文では ↓ のようなのがありますので、一度読んでみてください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalhs1990/16/0/16_0_117/_pdf/-char/ja
私のあやふやな話よりも、よっぽどためになると思います。
それと、三岐鉄道北勢線「ねじり橋」のことを教えていただいてありがとうございます。
近くにはコンクリートブロックの「めがね橋」もあるとか。
興味がわきましたので、今年、何とか訪れてみたいと思います。
Jun@Kyoto