粟田神社 秋には紅葉のアーチ

 粟田口を守る神様

京都市東山区の「粟田神社(あわたじんじゃ)」は、京の七口である、粟田口にあります。

粟田口は、東山道、東海道に続く交通の要所です。行き来する人々は旅の安全を願い、また道中の無事を感謝して粟田神社にお参りし、いつしか粟田神社は旅立ち守護、旅行安全の神様として知られるようになりました。

石段下の道は旧東海道、東山道であり、昔は交通の多い道でした。

三条通りから参詣する

三条大橋から蹴上(けあげ)に続く三条通りから行きます。

粟田神社 No2

現在の三条通りは比較的新しいきれいな道ですが、こんな道標が建てられたりしています。

粟田神社 No3

三条通りの粟田神社入り口です。

粟田神社 No4

粟田神社の参詣道の入り口に石碑があるのですが、「神」の字がカッコ良いですね。

粟田神社 No5

ご由緒書きです。

粟田神社 No6

このあたりで焼かれる、「粟田焼」発祥の地の石碑がありました。寛永元年(1624年)に瀬戸の陶工が粟田口に「登り窯」を築いたとの言い伝えが残り、この頃に登り窯による焼き物の生産が始まったと伝えられています。

粟田神社 No7

一の鳥居です。右側は元白川小学校でした。跡地の再開発について、京都市と地元が協議しています。

粟田神社 No8

参詣道の路面は、石が敷かれていますが、これは昔の市電の軌道敷に使われていた石ではないでしょうか。京都市の市電が廃止されるときに、軌道敷の石が大量に廃棄されて、市内のあちこちの路地や通路などに使われました。現在でも至るところで見られます。

粟田神社 No9

二の鳥居です。ここから石段で上がります。粟田神社 No10

こちらの鳥居は「感神院新宮」となってます。江戸時代まではこの名前で呼ばれていました。明治維新後、「粟田神社」となっています。

粟田神社 No11

「粟田天王社」「粟田八大王子社」とも呼ばれたそうです。

粟田神社 No12

さて、上りましょうか。左手の駐車場奥には、「鍛冶神社」があります。

粟田神社 No13

医師団の途中にある、「御神馬」です。すごい躍動感です。

粟田神社 No14

この「御神馬」の銅像は明治44年に奉納されたそうです。

粟田神社 No15

今にも駆け出しそうなリアリティーです。

境内

階段はちょっと急ですが、そんなに続きません。

粟田神社 No16

登りきると境内です。朝早いので誰もいませんね。とっても静かです。

粟田神社 No17

まずは、御手洗でお清めですが、節水のためか人が近づくとセンサーで感知して、水が自動的に出るようになってます。

粟田神社 No18

ちょっと目を引いた、「神楽殿」です。

粟田神社 No19

夜渡り神事である「粟田大燈呂」の紹介がありました。「粟田祭(あわたまつり)」の風流行列で、青森県のねぶたのルーツとも言われています。昔々は大きな行列でしたが、見物人が殺到してけが人が続出したため、長い間中止されていました。平成20年(2008年)から復活しています。「粟田祭」は今年(2017年)、10月7日から15日の間に行われました。

粟田神社 No20

かわいいミニチュアが飾られています。

粟田神社 No21

「神楽殿」の鏡板です。琳派の精神を受け継いだ、近代デザインの先駆者である、「神坂雪佳(かみさか せっか)」の画によるそうです。平成13年(2001年)には日本人として初めてフランスのファッションブランド・エルメスの雑誌の表紙を飾ったことで話題となった画家です。

粟田神社 No22

こちらは「拝殿」です。

粟田神社 No23

さて、本殿です。まぁ、何とどっしりとして立派なこと。すごい安定感を感じます。

粟田神社 No24

「感神院新宮」とされていますね。

粟田神社 No25

絵馬がたくさん奉納されています。

粟田神社 No26

「旅立守護」と書かれた剣鉾の絵馬です。

粟田神社 No27

境内をめぐる

境内には、末社がたくさんあります。

粟田神社 No28

今回の参詣の、もう一つの目的は末社の一番奥の方です。

粟田神社 No29

ここですよ。

粟田神社 No30

「出世恵比寿神社」です。

粟田神社 No31

奥州へ向かう、源義経が立ち寄って、打倒平氏、源氏復興を祈願したという神社です。日本最古の寄木造の恵比寿像が安置されています。普段は公開されていませんが、お正月には公開されるそうです。

粟田神社 No32

義経つながりで、一度参詣したいと思っていました。

他の末社も少しご紹介します。

粟田神社 No33

まずは「太郎兵衛神社」です。もともとは青蓮院御門の西に奉祀されていた土地の守り神だそうです。ここに神仏分離令により移されています。

粟田神社 No34

鳥居をくぐりながら、北向稲荷神社の後ろに回ります。

粟田神社 No35

ここが、お社です。

粟田神社 No36

次は「北向稲荷神社」です。

粟田神社 No37

稲荷神社で、北向きの建っているところは少ないのではないでしょうか。

粟田神社 No38

きれいに手入れがなされています。雪丸稲荷が祀られているのですが、雪丸稲荷は平安末期の名刀匠、三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)が一条天皇の勅により宝刀「小狐丸」を鍛えた時に、相槌を打った稲荷の神霊と言われています。

市内展望

北の端に休憩場所があります。

粟田神社 No39

屋根だけなんですけど、景色が良くて開放感があります。観光の一服にはもってこいですね、景色もいいし。

粟田神社 No40

京都市内の北部方面が一望できます。下の道からはそんなに石段を登っていないのですが、粟田口自体が、少し高いところにあるので、市内の眺望はとてもいいです。

粟田神社 No41

すぐそこに、平安神宮の大鳥居が見えます。この鳥居も存在感のある鳥居です。

粟田神社 No42

岡崎公園の紅葉も見えます。

粟田神社 No43

11月の初めに訪れたので、紅葉はまだまだですが、ほんのり色づいてます。

粟田神社 No44

楓は赤くなっているところもあります。11月の中旬以降が見頃だと思われます。

粟田神社 No45

さて、石段を下りて次の訪問地に向かいましょうか。一番下の鳥居がある道は、昔の東海道です。

粟田神社はご利益もさることながら、紅葉もきれいで、市内の展望もできるとてもいいところです。平安神宮に来られた時にはちょっと足を延ばしてみてください。

アクセス

  • 京都市バス「神宮道下車」、徒歩3分

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