以下は11月16日(木)に訪れたものです
最後の、紅葉の部分は、11月25日(土)に訪れた時の様子です。なので、前半部分は、紅葉「色づき始め」、最後の部分は紅葉「見頃」です。参考にされてください。
修学院界隈
11月の中旬から下旬にかけて、京都の山々はきれいに紅葉します。
「鷺森神社(さぎのもりじんじゃ)」はあまり人に知られず、マイナーなスポットなので観光案内にはなかなか載ってません。ここも、桜の季節、紅葉の季節は外せないところなんですよ。赤山禅院で、紅葉を楽しんだ後に訪れました。
赤山禅院から、南に向かって歩くと「修学院離宮」で、その前をまだまだ南に歩きます。
京都市バスなどで、白河通りから来られる方は、北山通との三叉路から一本北にある、信号のない細い道を、東の山手方向に歩いてください。
紅葉で有名なところへ行かずとも、周りの山々がきれいな色になってますので、目の保養になりますね。
「音羽川」です。治水されているのですが、なんかいい景色になってますね。山側に上がっていくと比叡山の登り口で昔から有名な「きらら坂の登り口」です。後で出てくる、「御幸橋」はかつて、この川を渡って修学院離宮に入るための橋でした。
「修学院離宮」の紅葉です。「修学院離宮」は宮内庁に申し込まないと中には入れないので、外から、ちらっと。
良い色ですね。
さすがにきれいに手入れがなされています。
鷺森神社 参詣道
遠回りですが少し西に歩いて、参詣道の一番西側から本殿に向かいます。
参詣道の入り口です。紅葉の「見頃」にはまだ少し早いようですね。
難しい字ですが、神額には「鬚咫天王(しゅだ/すだ てんのう)」と書かれています。
参詣道の両側にはもみじがありますので、「見頃」になるととてもきれいなところなんですよ。
一部紅葉してます。
こんな「赤」に染まります。
イチョウもあるので、「赤」「黄」「緑」と色とりどりそろっています。
鷺森神社 境内
「鷺森神社」は、かつて「修学院村天王社」、「修学寺の天王」とも呼ばれていました。比叡山山麓にあった七里(ななさと)のひとつである、修学院村の産土神でした。
さて、境内まで来ました。
境内手前に、霊元天皇の句碑があります。霊元天皇は度々鷺森神社を訪れ、「をりゐるを みしさぎのもり すきかてに わけきてけふは むかふ神垣」と詠みました。
この記念碑は文学博士「吉沢義則」が執筆揮毫(きごう)したものだそうです。
境内です。元々は、貞観年間に現在の赤山禅院の近くに創建されたのですが、応仁の乱で焼失し、修学院離宮のある山中に再建されました。ところが、元禄年間に後水尾上皇による修学院離宮造営のため、現在の場所に遷移しています。
手水舎で清めましょう。
きれいな水ですがすがしいです。
拝殿です。かつては、毎年3月5日に七里祭(ななざとまつり、さんやれ祭)が行われ、七里の神輿が鷺森神社に集まっていました。現在は5月4日に宵宮祭、5日に神幸祭が行われています。この5日の神幸祭が「さんやれ祭」と呼ばれ、小学三年生の男の子が頭に菅笠を被り、着物を着て紅たすきをかけ、手に扇子を持った姿で、鐘や太鼓の囃にあわせて「さんやれ、さんやれ」の掛け声を上げ、神輿の前を一緒に練り歩くお祭りだそうです。「さんやれ祭」の時には拝殿で舞楽の奉納が行われるます。
階段を上がります。
立派な造りです。
「鷺」の絵が良いですね。「鶴」じゃないですよ。「鷺森」の由縁ですが、赤山禅院の近くに社があったころ、古来から神使とされる鷺が、鎮守の森に群集していたことに因むのだそうです。縁起がいいですね。
「御神体」が見えます。御祭神は「素盞鳴尊(すさのおのみこと)」です。昔は牛頭天王(ごずてんのう)、また、鬚咫天王(しゅだ/すだ てんのう)を祀ったのですが、鬚咫天王と同一視された素盞鳴尊(すさのおのみこと)を御祭神としています。
末社も遮光を浴びて、きれいです。
ご由緒書きですが、ちょっと見づらいですね。すみません。
絵馬は当然、神使いの「鷺」ですね。
縁結び・恋愛成就のパワースポット スサノオノミコトのお墨付き!
さて、お待たせしました。ここが目的の方もたくさんいらっしゃると思います。
縁結びの石、「八重垣(やえがき)」です。
この縁結びの石として祀られている「八重垣」は、鷺の森神社の御祭神である「素盞嗚尊(すさのおのみこと)」が詠んだと言われる和歌
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を
にちなんでいます。
この和歌は神話の中に出てきます。
「素盞嗚尊」は、高天原(たかまがはら)より出雲国・肥の川上流に降り立たれました。するとそこで、嘆き悲しんでいる老夫婦の神、脚摩乳(あしなづち)と手摩乳(てなづち)に出合います。かつて、神には8人の娘がいました。毎年、八岐大蛇(やまたのおろち)は娘たちを次々に襲い食べたのだそうです。最後に末娘・稲田姫命(いなたひめのみこと)一人が残されました。やがて、稲田姫命も同じ運命になるのです。
素盞鳴尊は、稲田姫命と婚姻することを約束し八岐大蛇退治を行います。二人が結ばれ、住居を構えた須賀で素盞鳴尊が詠んだという歌が上の和歌です。
この出雲の須賀の地に、新婚の宮を作ろうとすると、雲が幾重にも立ち昇り、あたかも八重垣を作るように見える。私たち夫婦の住む八重垣である。その八重垣のみごとさよ。
と歌っています。
この縁結びの石、「八重垣」に触れて祈ると悪縁を絶ち、思う人との良縁が得られ、夫婦和合・円満や家内安全が授かると言われています。
八重垣の上に社務所で求めた黒石を置いて、黒石の上より手を当て、「八重垣」に触れて心中で祈願します。その黒石をお守りに入れて持ち帰ります。
御祭神である「素盞鳴尊」のお墨付きですよ。とてつもないパワーが期待されます。なんせ「八岐大蛇」を退治した神様ですから。良縁を祈願されて、幸せを手に入れてくださいね。
御幸橋
境内を流れる宮川に架かる「御幸橋」です。
修学院離宮の正面入り口、音羽川に架けられていた橋を昭和42年(1967年)に移築したものです。
この橋は、後水尾天皇、霊元法皇も行幸の際にも渡られた由緒ある橋です。この橋を渡って、南の方にいけば、「曼殊院道」にでます。
帰路は紅葉を楽しんで
境内も紅葉し始めています。西向きの参詣道なので、午後の方が写真を撮るにはいいですね。
帰り道、午後の斜光でとてもきれいです。
葉っぱがキラキラと輝いてます。
もうすぐ深紅になりますね。
追記 2017年11月25日(土)
「曼殊院門跡」を拝観した後に、「鷺森神社」の紅葉を見に訪れました。
とってもきれいになってます。再訪した甲斐があります。
良い色になってますが、そろそろ盛りを過ぎた木もあります。
今が一番の「見頃」ですね。
境内にももみじがあって、とてもきれいです。
「曼殊院」はだいぶんと散ってきてましたが、そこからは坂を下ってきて、街に近い分まだ紅葉が残ってました。
「鷺森神社」は紅葉スポットとしては、本当に地元の人にしか知られていないようなところですが、その分、訪れる人も少なくてゆったりと紅葉を楽しめます。そして、「縁結び・恋愛成就」のパワースポットとくれば、これはもうお詣りしないといけないですね。紅葉に限らず、春の桜もとってもきれいなところですよ。
アクセス
- 京都市バス「修学院道」下車、徒歩8分
- 叡山電鉄「修学院」下車、徒歩10分