岡崎公園
先日、岡崎に用事があり、その帰りに「岡崎公園」に行きました。
「岡崎公園」と呼ばれる地域には、「平安神宮」をはじめ、「京都市立美術館」「京都国立近代美術館」「京都府立図書館」「ロームシアター京都」「京都勧業館みやこめっせ」「京都市立動物園」「岡崎公園テニスコート」「岡崎公園グランド」「武道センター」「京都観世会館」「細見美術館」とそらもう、たくさんの施設がひしめき合ってます。
ちょうど、紅葉の時期でいい色になってました。「ロームシアター京都」のところです。昔の「京都会館」ですね。この画像の手前の建物には「Kyoto Modern Terrace(京都モダンテラス)」「都岡崎蔦屋書店」「スターバックスコーヒー 京都岡崎 」が入ってます。「ロームシアター京都」ができる前にはお店もなくて、ちょっと困ったところだったのですが、近代的になりました。
「岡崎グランド」のイチョウもいい色に紅葉してます。
「平安神宮」前の「神宮道(じんぐうみち)」も、二条通りまでは車道ではなくなって、広場に改装されました。昔は駐車車両がいっぱいで、景観がよくなかったのですが、広場になってから、とっても開放感がある場所に様変わりしています。その広場では「フリーマーケット」が開催されています。
色々なイベントごとが行われるようになって、「岡崎公園」を訪れる人が増えています。
イチョウともみじが両方とも紅葉していてグッドタイミングです。
紅葉のグラデーション。向こうに行くほど、黄色くなってますね。
「京都市勧業館 みやこめっせ」前のもみじです。最高の紅葉です。濃い濃い赤ですよ。
ほんとに素晴らしい色です。こんなにきれいな赤にはめったとお目にかかれません。
きれいな紅葉が見られるとは思っていませんでした。本当にありがたいです。
京都市電 コンシェルジュ
二条通の交差点に交番があるのですが、その南側に「市電」が展示されています。
車両の中は、市電の歴史の展示があるのと、観光案内所になってるんです。「市電コンシェルジュ」といって、平成27年12月から、岡崎公園周辺に集積する文化・交流施設のイベント情報や見どころスポット、飲食店情報等を案内しています。京都検定1級合格者を中心とする京都岡崎に精通したボランティアガイドさんが見どころをつなぐモデルコース等を案内してくれます。
後で知ったのですが、上の画像のスロープの入口にある黒っぽい看板と、電車の前面にある「系統番号」が掲げてあったところのある黒っぽい案内板には「京都市産業技術研究所」で開発された屋外用の漆で塗装されているそうです。伝統技術である漆塗装の新たな可能性を見出した技術だそうです。もっとよく見ておくべきでしたと、今更後悔。
昔、京都市内には、この市電が路面電車としていっぱい走ってたんですよ。市電だけではなくて、四条通りには「トロリーバス」とか、現代では考えられないようなものも走ってました。
とっても懐かしいです。もしかすると、この車両が現役で走っていた時に、お世話になったことがあるかもしれませんね。
多くの停留所が道の真ん中にあって、その細長い停留所に立って市電を待つのですから、ほんとに至近距離に電車が通ることになります。巻き込み防止のために、できるだけボディーで覆い隠しています。
後方灯とパンタグラフの上げ下げに使っていたワイヤーのリールです。
前照灯です。前照灯が明るかった記憶はありませんが、真ん中の「ワンマンカー」の字が灯りに浮き上がっていたのは印象に残っています。
車両番号です。
ツーマンもありました。2両連結もありました。
これ、正式名称は知りませんが、事故防止用のものです。なんせ重量が14トンほどあったそうですから、それが40㎞/hで走ってるとさすがにすぐには止まれません。
人身事故は見たことがありませんが、自動車とぶつかる事故は時々ありました。市電が無くなる最後の頃は、路面の軌道敷内に自動車が入っても良いようになっていたので、事故が増えたようです。当時は今ほど、譲り合いの風潮はなかったでしょうし、自動車の増加とともに市内の交通渋滞が慢性化していたので、事故も増えて当たり前だったことでしょう。そんなわけで、路面電車としての市電は徐々に廃止されていき、都市交通は「市バス」がメインとなっていきました。
私は鉄っちゃんではないのですが、市バスと市電を比べると、やっぱり市電に魅力を感じてしまいます。市バスってどちらかというと車の延長でしかないので、運転に魅力を感じませんが、市電は電車なので一般人には運転できないというところに魅力を感じてしまいます。
車内
観光案内と、展示がされています。
催し物の案内ポスターが貼られており、パンフレットなどが陳列されています。また、市電の歴史も紹介されています。一番上の掲げられている絵も漆塗りだそうです。
案内ボランティアの方がいらっしゃるので、観光について尋ねてみるといいですよ。
車窓からの風景。
座席です。簡素な座席ですが座り心地はいいです。床は木張りです。室内は天井付近が白で、その他の側面部分はクリーム色っぽい、おうど色でした。昔は譲り合って、キュウキュウに詰めて座っていたものです。今の電車では、みんな広々と座って譲り合いの精神はあまり見られませんね。
つり革。つり革の一つ一つの広告が差し込まれていました。現代のつり革と比べると、輪っかが小さめで、かわいいです。
降車ベル。子どもの頃はこれが押したくて押したくて。ひとつ前の停留場を発車すると、われ先に押していましたよ。
むっちゃ懐かしい。市バスも昔はこれが貼られてましたよね。
ドア前の照明灯。
室内灯。
「電車案内図」。今は無き「ナガサキヤのカステーラ」が哀愁を誘います。京都では一番おいしいカステラでしたよ。どこに行ってもナガサキヤの店舗を見かけたものですが、無くなってしまってとても残念です。昭和45年4月と書かれています。
これは、「電車運賃表」と「終車通貨時刻表」です。大人運賃が全線均一で¥25-、子供が¥15-となっています。貸し切り運賃が¥2,500-です。そういえば、遠足とかで貸し切り電車を走らせていたと思います。現代のように運行システムが電子化されていてはなかなか貸し切りを入れるのは難しいでしょうが、当時はけっこうおおざっぱでのんびりとした時代でした。
「キンピョー」は今でも頑張ってます。はい。
運転席です。半分立ちながらの運転が多かったように思います。幼稚園や小学校で将来なりたい職業を問うと「市電の運転手」は必ずありましたよ。
今見ると、なんかスカスカですね。昔見た記憶ではなんかもっとメカメカしい雰囲気だったような気がしてましたが。
シンプルです。床のリノリウムが薄くなってはがれていますね。
マスコンです。(ほんとはマスコンではないですけど。)小さい頃は、この上が見えなかったので、どうなっているのかがとっても知りたかったです。運転手さんがガチャガチャ回しているので、さぞかし何か面白い機構になってるんだと思ってました。
幼少のころには、もっと複雑な機械のように見えてたのですけど、今見ると何もかもが簡素ですね。
市電って楽しかったですよ。エアコンなんてないので夏になるととっても暑かったけど、ゴォーって突進して、豪快で気持ちよかったです。小学校の1年から夏になると、踏水会のプールに行っていたのですが、子供だけで市電に乗って遠くまで行くというのが、とっても大人になった気分でした。
京都市内にはまだ何台かの市電が残されていますが、徐々に台数は減ってきています。
アクセス
- 京都市バス「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車、すぐ
- 京都市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車、すぐ