白山神社(麩屋町通り) 縁結び 歯痛平癒

 変わった取り合わせのご利益?

白山(はくさん)といえば、石川県と岐阜県にまたがる大きな山で、「白山信仰」として有名ですね。京都には、「白山」と名前の付いた神社がたくさんあります。

今回紹介するのは、京都市中京区にある「白山神社」です。

場所は、麩屋町りの御池通りを上がったところです。

白山神社 No2

「御池通り」にある「麩屋町通り」の案内標識です。ここから北に上がっていきます。

白山神社 No3

今でこそ、市役所近所の住宅密集地にある小さな神社ですが、昔は、社域が北は「押小路通り」、南は「御地通り」に及んだ大きな神社だったそうです。

白山神社 No4

「白山」と聞くと、ちょっと畏れ多い感じがしますね。

白山神社 No5

ご由緒書きの駒札ですが、字が薄くなってしまってちょっと読みづらいですね。

平家一門が権勢を振るった高倉天皇の平安時代末期。加賀国(石川県)の白山神社の第八社で、平家の武将達が乱暴狼藉(ろうぜき)をはたらいた。これに怒った僧らが治承元年(1177年)、加賀国石川郷白山権現「加賀一の宮」の神輿を三基をかついで、京の内裏まで強訴に押し寄せました。しかし、取次ぎの公卿には取り合ってもらえず、一行は武士にけちらかされてしまいます。仕方なく、三基の重たい神輿をかつぐと、内裏をあとに引き上げました。強訴が不成功だったせいか、神輿が肩に食い込み、麸屋町通り押小路辺りで神輿の一基が動かなくなってしまいます。面倒になった僧たちは、神輿を放置して、一目散に加賀の国へ逃げ帰ってしまいました。そこで、困ったのは近くの人たち。ありがたい「加賀一の宮」の神輿を雨ざらしというわけにもいかず、お社を作ってお祀りしました。これが白山神社創建のご由緒だそうです。

神輿は三基あったのですが、白山神社に祀られた神輿の他の神輿はどうなったのでしょうか。他の一基は近くの民家に、残りの一基も付近にあったそうですが、のち八坂神社に移されたということです。

白山神社 No6

神額は歴史を感じさせる風貌です。

白山神社 No7

では、境内に入りましょう。

白山神社 No8

手水舎ですが、手押しポンプの井戸になってます。水道もありますよ。

白山神社 No9

本殿です。

【縁結び・良縁祈願の御利益】

「白山神社」の御祭神は菊理比売(くくりひめ)で、「くくる」が「結び」につながるところから、「縁結びの神様」として祀られています。

白山神社 No10

【歯痛平癒の御利益】

江戸時代中期、最後の女帝として知られる「後桜町天皇」が歯痛で悩んでいました。女官が「白山神社」から持ち帰った「神箸(しんばし)」と「神塩」をつけたところ、たちまち歯痛は治ってしまったそうです。そこから、「白山神社」には「歯痛平癒」の御利益があるとされるようになりました。歯科医の方もお参りに来られるそうです。

赤ちゃんのお食い初めの時に「白山神社」で授与される「長寿箸」に塩を付けて口に含ませると、無病息災になるという御利益があります。

白山神社 No11

お隣に末社があります。

白山神社 No12

「天満宮」「白菊大神」「猿田彦大神」が祀られています。

白山神社 No13

「天満宮」は菅原道真公を祀っていますし、「白菊大神」は「白菊の翁」にあらわされる霊水の神様、「猿田彦大神」は道祖神である道の神様です。

「縁結び」と「歯痛平癒」という変わった御利益の取り合わせです。また「歯痛平癒」という御利益はなかなか希少ではないでしょうか。市役所の近くです。この辺りを通ることがあったら一度訪れてみてください。

アクセス

  • 京都市バス「京都市役所前」下車、徒歩3分
  • 京都市営地下鉄「京都市役所前」下車、徒歩3分