大正デモクラシーの中で
あまり知られていないと思いますが、岡崎公園に「全国水平社創立の地」という石碑があります。
二条通りに鎮座する大きな建物。昔は「京都会館」と言ってました。
現在は「ロームシアター京都」という名称になっています。正式な名称は「京都会館」で京都市の所有なのですが、平成28年(2016年)ネーミングライツ(命名権)によって「ロームシアター京都」と改称し、リニューアルオープンしました。
コンサートホールですが、書店やレストラン・カフェが入ってますのでゆっくりとくつろげます。そんな「ロームシアター京都」の北側に「全国水平社創立の地」の石碑があります。
明治維新後、徐々に民主化が浸透していき、大正期に入ると「大正デモクラシー」という政治、社会、そして文化の各方面において、民本主義の発展、自由主義的な運動、風潮、思想が一般市民の間にも広がりをみせます。
そんななかで大正11年(1922年)岡崎公会堂に全国の被差別部落から約3,000人の人々が集まり,被差別部落の地位向上と人間の尊厳の確立を目的として「全国水平社」の創立大会が開かれました。そして日本最初の人権宣言といわれる「水平社創立宣言」を採択しました。この石碑は創立大会が開かれた岡崎公会堂の跡を示しています。
旧岡崎公会堂は, 昭和6年(1931年)に「京都市公会堂」として 鉄筋コンクリート造 2階建に建て替えられ、 更に「京都会館別館」をとなり, 平成12年(2000年)に「京都市美術館別館」となりました。この石碑の後ろに建ってます。
差別の撤廃を叫ぶ全国的な民衆運動が京都の地から始まったというのは、やはり当時の京都の町に活気があり、また自由な空気があふれていたことのあかしだと思います。
アクセス
- 京都市バス「岡崎公園ロームシアター京都前」下車、徒歩1分