石碑
去年撮った写真を見返していると、こんなのがありました。
室町幕府が置かれた「室町第(花の御所)」の跡を示す石碑です。この石碑より東北を差していますので、ここが「室町第」の南西の角であったということですね。
「室町第」は3代将軍・足利義満が永和4年(1378年)に造営した邸宅です。鎌倉時代、この地には公家の室町家の邸宅「花亭」がありました。また賀茂川から水を引き、多くの花々が植えられていたので「花の御所」と呼ばれました。
敷地は室町通りと烏丸通り、今出川通りと上立売通りに囲まれた東西110メートル、南北220メートルの広さがあり、その中に多くの殿舎が建ち、庭園は美しさをきわめ、室町時代の政治、文化の中心地でした。
栄華を極めた「花の御所」ですが、残念ながら応仁の乱で焼失してしまいました。現在いくつかの町名が残っているだけです。
室町通りの角にひっそりとたたずむ「室町第址」の石碑です。訪れた時には、しとしとと雨が降っていました。雨に濡れ静かに立っている石碑を見ていると何かもの悲しさを感じました。当時は文化の中心地でもあり、とても華やかな場所であったのでしょうが、現在室町通りは住宅が続く静かな通りとなってます。一度折れたのでしょうか、石碑の下の方にはひび割れがあり補修したような跡が残っています。
この石碑も徐々に形が無くなっていくのでしょうが、何も言わずに今出川通りの交通の流れを見守っているようです。
アクセス
- 京都市バス「烏丸今出川」下車、徒歩2分