※お断り:前半は3月に書いた記事です。下書きの中に埋もれてました。
久しぶりにやってしまった...
千本今出川の交差点のすぐ東側にある「般舟院陵(はんじゅういんのみささぎ)」を訪れました。
んで、忘れていたのですが...
閉まってました。久しぶりにやってしまった。
土日祝は閉門されています。宮内庁管轄なので仕方ないですね。
(※下部の追記にありますが、現在は土日祝も参拝できるように開門されています。)
平日に再訪する
ま、どうあがいても仕方ないので、平日の昼間に訪れましたよ。
お天気のいい3月末に休みが取れたので、用事のついでに行ってきました。まだ春の陽気とまではいきませんが、日の光が当たるとぽかぽかとぬくもりを感じられるぐらいの気候でした。
千本今出川の交差点です。
桜満開。
とってもきれいですよ。
ちょうどいい時に訪れましたね。
さて、今回は開門されています。
宮内庁の案内書きです。
門を入ると参拝路は、くの字に曲がっています。日本人は入り口の真っ正面から見えるというのを嫌いますよね。陵(みささぎ)ですから、入り口から覗き見ることができるというのもあまり良い印象ではないし。
さすが宮内庁管轄だけあってきれいに整備されています。
当然、この中は見ることができません。
ここから参拝します。「般舟院陵」は元々伏見にあったのですが、文禄3年(1594年)から本格的に始められた「豊臣秀吉」による伏見城の築城工事に伴って、「般舟院」の移転とともに現在地に移されました。ここには後花園天皇、後土御門天皇、後奈良天皇、後柏原天皇の母源朝子など14墓があります。
敷地内には、淡いピンクの桃が咲いていました。とても風流ですね。
「般舟院陵」は「般舟院」に付随してあったのですが、当の「般舟院」の方はいろいろとあって、現在は「西園寺」というお寺になっています。「西園寺」は「般舟院陵」の東にある京都市立嘉楽中学校のグランドとマンションを超えて建っています。
もともと京都市立嘉楽中学校もその隣のマンションも「般舟院」の敷地だったのですが、明治以降に廃仏毀釈が進んで広大な敷地の維持ができなくなり、徐々に縮小化されていきました。この地に移った後の江戸時代には「禁裏道場」として御所直属の天台宗・真言宗・律宗・禅宗の四宗兼学の道場として栄え、皇室の「香華院」でした。また二尊院、遣迎院、廬山寺とともに「御黒戸四箇院」のひとつでもありました。現在はその影もないほどになってしまっています。
式子内親王塚
「般舟院陵」の中にはもう一つお参りしてほしいところがあります。
「般舟院陵」の敷地内の西隣にあります。
「定家葛(ていかかずら)の墓」と呼ばれる「式子内親王塚(のりこないしんのうのつか)」です。「式子内親王」は「後白河天皇」と「藤原季成女成子(ふじわらのすえなりのむすめしげこ)」との間に生まれた第三皇女です。弟に、打倒平家を掲げて「源頼政」の勧めで挙兵した「以仁王」がいます。
「般舟院陵」が移ってくる前からあったそうです。
塚の一番上に仏塔があります。
「定家葛(ていかかずら)の墓」と呼ばれているのですが、この「定家葛」という名前は、能の「定家」に基づく名前で、「式子内親王」を愛した「藤原定家」が、死後も彼女を忘れられず、ついに「定家葛」に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝承から生まれています。(定家葛の葉っぱや茎を切ると白い乳液が出るのですがこれは有毒だとのことでお気をつけ下さい。)
こういうロマンのある話は大好きなのですが、実際には「後白河天皇」より相続した「白河常光院」からは遙かに離れており、ここが「式子内親王」のおはかであるという根拠はないそうです。
また、「式子内親王」は「藤原定家」と非常に親しい恋中であったというのが一般的でしたが、内親王の出家の際の導師が「法然」であった可能性があり、更には「式子内親王」の密かな思慕の対象であったという推測もあります。
たくさんの石仏があります。
玉のをよ たえなばたえね ながらへば
忍ぶることの 弱りもぞする
百人一首にある「式子内親王」の歌です。
心の内に秘めた燃える思いが爆発しそうになるという、なんとも荒々しい恋ですね。
追記 平成30年9月5日(水)
前日の9月4日(火)には台風21号が近畿地方を縦断し、京都市内でもあちこちの神社仏閣が被害にあっています。
入口の横に立っていた駒札が折れてしまっていました。昨日の台風ではとんでもない南風が吹いていましたよ。で、その駒札には試験的に土日祝の閉庁日にも開門しているので参拝ができる旨の張り紙がありました。
なんと参拝道に松の木が倒れてしまっています。
根こそぎ倒れてしまっていたのですが、松の木って、地中にはほとんど太い根っこが走っていないんですね。地面のところから、いきなり太い幹が出現している感じです。もっと地中方向に根っこが伸びてないと風ですぐに倒れてしまいますね。
そのほかにも、台風による被害で参拝、参詣は元より敷地内にも入れないところがありますので、観光の皆さん、よく確かめてからいらしてください。
アクセス
- 京都市バス「千本今出川」下車、すぐ