煩悩の権化
今日は「一乗寺」の方に行きましょう。
「一乗寺」と聞くと、今の人は「ラーメン街道」と呼ばれる「東大路通り」の辺を思い浮かべることと思います。でも、「一乗寺」と言われるところはとても広く、「東大路通り」は一乗寺でも西の端にあたるところです。
今回は、もっと東の山に近い、もともとの「一乗寺」の方に行きました。「一乗寺」で有名なところとしては「詩仙堂」、「八大神社」、「一乗寺下り松」、「狸谷不動院」、「金福寺」があげられます。
有名どころもいいのですが、白川通りよりも東側を歩くと、あまりガイドブックには載ってないような穴場スポットに出くわすことがあります。なにはなくとも、天気のいい日にはポチポチと歩いてみると面白いですよ。
さて、少し朝早い時間ですが、「白川通り」の京都市バス「一乗寺下り松町」のバス停でバ降車して、東の山手方向に上がっていきます。
すぐに坂道になります。最初はなだらかで歩く速度も速いのですが、坂は徐々に急こう配になって、歩速は落ち息は上がって、ひざはガクガク、息はぜぇぜぇと、なんとも日ごろの運動不足が露見してしまいます。
「一乗寺下り松」を超えて、「八大神社」の一の鳥居も越えて、「八大神社」の斜め向かいが目的地でした。
「でした。」となってしまいました。
ほんとは、「野仏庵」を見学したかったのですが...
公開は朝9時からでした。下調べしておけよ、というところですね。
なので、お隣の「一乗寺降魔不動明王」を拝見します。「降魔」は「こうま」ではなく「ごうま」です。
本堂です。ろうそくが灯ってますね。
御手洗の横に上人様の石像が鎮座してます。何も説明がないのですが、帰ってから調べると「水かけ聖人」と呼ばれる石像だそうです。所以などは調べてもわかりませんでした。
ご本尊の「降魔不動明王座像」です。右手には大きくて太い剣を持っています。
後ろには、すんごくでっかい「草履(草鞋?)」が飾られています。これも何か御由緒はあるのでしょうが、説明書きなど何もないのでよくわかりません。
龍が彫られた古そうな太鼓。
「降魔不動明王座像」の台座部分には童子が彫られています。
帰ってから調べると、「降魔不動明王」が右手に持っているのは「俱利伽羅剣(くりからけん)」という剣で、仏の叡智によってり、迷いや邪悪な心を断ち切ることを表す密教の法具だそうです。後光のように彫られている炎は「迦楼羅焔(かるらえん)」といい、「迦楼羅天(かるらてん:仏教の守護神)」の吐き出す火炎であり、毒になるものをすべて焼きつくすことを現すそうです。
私なんて、煩悩の塊のような人間ですが、お参りしたことで少しでも迷いを減らせたのでしょうかねぇ。多くを望まず、つつましやかに生きましょう。
アクセス
- 京都市バス「一乗寺下り松町」下車、徒歩15分