奇跡を生む
今日は、あまり知られていないパワースポットである神社を紹介します。以前、「西寺跡」を記事にしましたが、その「西寺跡」がある「唐橋西寺公園」に隣接するように鎮座する「鎌達稲荷神社」です。なんとここは、平安時代の有名な陰陽師である「安倍晴明」の子孫である「安倍家」、「土御門家」の鎮守社だった神社です。
もうこれだけでパワーがみなぎる感じですね。「鎌達稲荷神社」では「(サムハラ)」と呼ばれるお守りが有名で、「災難厄除」、「奇跡を生む」というご利益絶大なのだそうです。
では、行ってみましょう。
「九条七本松」の交差点から上がっていき、左手に曲がれる5本目の通りです。そのうち1本は10mほどで「唐橋西寺公園」の入り口になっている短い道です。その5本目の通りを西に歩きます。最初、「唐橋西寺公園」があるのですが、その次のところです。上の画像で、どこかわかりますか。鳥居がほんの少し見えています。
「鎌達稲荷神社」です。
ここを通り過ぎると、また「唐橋西寺公園」になってます。「唐橋西寺公園」の敷地の中に鎮座しているようなものですね。
入り口わきにある「鎌達稲荷神社」の石票です。
そんなに広い神社ではありません。
社務所前に「手水鉢」があります。
「鎌達稲荷神社」の駒札です。
鎌達稲荷神社
当神社は和銅四年元明天皇の御時(西暦七一一)の御鎮座とされるが、御神鏡の記録によると、仏教伝来(西暦五三八)の頃(飛鳥時代)の御鎮座とされ、伏見稲荷大社よりも古く、元稲荷とも伝えられている。
平安朝以降、元天文家で陰陽師であった安倍晴明が子孫、安倍土御門家の祭祀にして、平安朝及び人民に利益を施し、天下泰平・五穀成就を祈願したと伝えられている。御祭神の主神は、倉稲魂大神と猿田彦大神である。
倉稲魂大神は、五穀をはじめ、衣食住及び商工業繁栄の神と敬われ、万生業に福利を授け給ういわゆる開運の神である。
猿田彦大神は、天孫瓊々杵尊が御降臨の時、道案内された神で、広く人事を良きに導き給う神であり、家内安泰・交通導きの神である。主神二柱の鎌達様御信仰御利益由来には、幸運・勝負運を招き、奇蹟を生む神様の御霊験ありと敬われている。
と書かれています。
ご利益として、勝負運祈願、競技勝利、賭博勝利、社運隆盛、出世祈願、大入・商売繁盛、交通安全、子ども守護、五穀豊穣、夫婦和合などの信仰を集めています。「奇跡」を呼ぶ力が強いと言うことで信仰されています。
こちらが「鎌達稲荷神社」の本殿です。
本殿前まで来ました。まだ新しい社屋です。1996年に建立されたそうです。
お稲荷さんなので、キツネの絵馬ですね。
御神鏡がみえます。「鎌達稲荷神社」は昔、もっと北寄りの「JR梅小路京都西駅」に近いところに鎮座していたようです。1911年の山陰線の梅小路軌道拡張工事のときに現在地に遷移したとのことです。言い伝えによると、葛野郡七条村大字梅小路字東頭の「土御門邸」の東方付近にあって、陰陽師・安倍晴明の子孫の「安倍家」、「土御門家」によって祭祀が行われてきたそうです。また、昔の境内には杉の大木があって、「天狗(猿田彦大神)」が宿ったとされ、子どもの育成を守護したのだそうです。なので今でも「子ども守護」のご利益があります。
ということで、今は「西寺跡」にありますが、そもそもは「東寺」の北側に鎮座していたんですね。「西寺」は廃れてしまったのに「東寺」が繁栄を続けることができたのは、この「鎌達稲荷神社」が近くに祀られていたからだという言い伝えもあります。このことから「東寺」は「西寺」に「勝った」として、勝運の信仰が篤くなったとのことです。
また、最初にも書きましたが「鎌達稲荷神社」の「サムハラ呪符」のお守りは、「災難除け」、「奇跡を生む」、「勝運を招く」お守りとしてたいへん人気があります。戦国時代、美作国津山にあった「落合城」に「サムハラ」と書かれた石碑があり、その石碑を拝み「サムハラ」を紙などに写して身に付けた者は、矢や鉄砲の弾が当たらないというので熱心に拝まれ、そこから災厄除けとして信仰されました。「田中富三郎」が、この「サムハラ」のおかげで「日清日露戦争」で銃弾に当たらなかったと、大阪に「サムハラ神社」を建立しています。「太平洋戦争」の「千人針」にも「サムハラ」の文字が書かれており、現代でも災難除けのご利益があるとして多くの人々に信仰されています。
境内にもう一つ末社がありますね。
こちらです。お隣が倉庫のようで少し窮屈そうですよ。
こちらもキツネが見えるのでお稲荷さんですね。
「白菊稲荷大神」と神額にあります。
精悍な顔のキツネさんです。現代風ですね。昔のキツネのおどろおどろしさが感じられません。
「白菊稲荷大神」の本社です。このお社も最近のものでしょう。とても新しそうできれいです。
帰宅してから知ったのですが、「鎌達稲荷神社」には平安時代の僧「浄蔵貴所(じょうぞうきしょ)」の塚があるのだそうです。「浄蔵貴所」は「菅原道真公」と覇権を争った「三善清行」の八男で、法力によって傾いた八坂の塔を元通りにしたり、亡くなった父「三善清行」を「一条戻橋」で呪術により蘇生させたり、また「平将門」を調伏(ちょうぶく: まじないによって人をのろい殺すこと)したりと、とんでもないパワーを持った僧侶(呪術師?)でした。その塚があるということは、どんな由緒があるのかわかりませんが、この「鎌達稲荷神社」のパワースポットとしての格が上がるではないですか。この塚にはお参りしたかったですね。残念。また次の機会にはお参りしましょう。
とまぁ、いろいろなご利益が授かれる「鎌達稲荷神社」です。あまり人が来ないところなので、静かにお詣りできますよ。ぜひとも足を運んでくださいね。そして、絶大なるパワーの恩恵にあずかってください。
アクセス
- 京都市バス「九条七本松」下車、徒歩7分