気が弱いのですが、変に冒険好き
困ったもので、臆病者で気が弱いのですが、「冒険」にあこがれます。自分が行ったことのないところに行くのは好きで、特に自然の中を探検するのが大好きです。でも、非常に憶病なので、実際に危険な場所を目の前にすると、尻尾を巻いて一目散に退散することが多いです。
ま、これで今まで大きな怪我もせずにこの年まで生きてこられたのかもしれません。ところが困ったことに、YAMAPや山レコで人があまり行かない道を見つけてしまうと、気になって気になって仕方がありません。
今回はこれ。
左上の十字に交差しているところが「荒神峠(長坂峠)」と呼ばれるところです。いつもはそこから真南に「つつじ尾根」を縦走してJR嵯峨野線「保津峡駅」のそばに下山するんですけど、「荒神峠」から「落合」までの、点々で描かれた道が気になるんです。昔はこの道を「米買い道」と呼んでいたようです。「水尾の里」から京都市内に出るには一番早い道なんですよね。なので、国鉄ができるまでは結構な往来があった山道だと思われます。
上の画像で右上にある「清滝」から「落合」までのところにも2か所同じような危険個所のマークがありますね。ここは半年前に通った時には何にもなく、普通に歩ける遊歩道のような道でした。「米買い道」の方は表記が実線ではなく「点々」ですけど一応YAMAPに載ってるし、通行止めではないようです。
で、今回の「愛宕山」登山で、ちょっとチャレンジしてみることにしましたよ。山になれている人ならば、「なんやこんなしょーもない道」と言われるかもしれませんが、ハードな山には挑戦したことがないし、登山と言うよりもハイキングという言葉がぴったりな私です。はっきり言って、にわかの初心者です。ダメそうなら、ま、引き返せばいいや、といういつもの気持ちで行ってみましょう。
愛宕山から荒神峠へ
「月輪寺」から愛宕神社に到着し、社務所前の休憩場所で、午前中のおやつになるパンと水分を補給しました。
社務所前を出発します。時間は午前10時45分。
社務所前の道を「表参道」の方に行きましょう。
ここからは下りです。「落合」まで上りはありません。
太陽が高くなりましたね。でもここは標高約900mで空気がカラッとしていて、涼しい秋風が吹いています。
階段を下りて少し歩くと、「水尾の里」に直接下りられるであろう山道があります。
「表参道」の登山口から続いている嵯峨消防分断の激励看板。朽ち果てかけていたのもあったのですが、リフレッシュされたようですね。「表参道」が約4㎞あるので、100mおきぐらいに建っています。
「黒門」まで下りてきました。昔はここからが「白雲寺」の境内だったようですね。
現在は「愛宕神社」の境内です。
わ、わしのことか?
途中お地蔵さんがるところの右手の方に、あまり木が生えていない広場のようなところがあります。その奥の方に入っていくと...
亀岡市内がよく見えるんですよ。
馬堀の駅から東つつじヶ丘や南つつじヶ丘が見えます。
もう少し西の亀岡の中心街。真ん中より少し左下のあるのが亀岡市役所。一番左下の見えるのが建設中の京都スタジアム。
「ハナ売り場」まで来ました。
まだまだ下ります。
「水尾別れ」です。「表参道」で言えば、下から3/4程度のところです。もうすでに1㎞ほど下って来たことになります。左の「清滝」方向に行きましょう。
先ほどの「水尾別れ」から数分で分岐点に来ます。「表参道」は矢印の「清滝」方向に下りるのですが、「荒神峠」は右手に行きます。ま、それらしい道は見えるのですが、一般の参拝客はわざわざ降りなさそうなほしい道です。
「JR保津峡駅へ」と案内をしてくれてますね。
しばらくは杉林の中を怒涛の下りです。反対に上ってくるのは勘弁してほしいですよ。
いいお天気ですね。このシルエットとても好きです。
数百メートル降りると、杉林から雑木林に代わります。ほんでもって道は相変わらず急な下り坂です。
これでもかというほど下りて行きます。
下の方に道が見えますね。「荒神峠」に下りてきました。
「荒神峠」の交差点です。
おっと、蛇発見。幸運の蛇となるかな...
荒神峠(長坂峠)
ただいま11時30分です。愛宕神社から45分ほどで降りてきました。
ずっと急な下りだったので膝ががくがくです。木のベンチがありますので、ちょっと一服して水分補給しておきます。
「荒神峠」は「落合」と「水尾の里」を結ぶ途中にある峠です。
「庚申峠」とも「長坂峠」とも言われていて、昔は杉の植林がなかったので、京都市内が展望できたそうです。
いつもは「つつじ尾根」からJR保津峡駅を目指すのですが、今日は「米買い道」から「落合」経由で保津峡駅まで行きましょう。
いきなり書いてある「難蕗・倒木多数」の案内。行けないとは書いてないので行ってみます。
と、これまた、いきなり...最初はこんな感じで、またいだりくぐったり、少し迂回すれば普通に通れる道でした。
20分ほど歩いたでしょうか、案内の看板が見えます。道は九十九折れで左にカーブしています。
「椿の水とお地蔵さん」と書かれています。昔からの水場だったようですね。
苔むした「椿地蔵」さん。通行人の安全を見守っています。
だんだんとハードになってきました。
道は何とか確認できます。最悪、沢沿いに下りて行けば「落合」に出られます。
この辺りは倒木を切断してくれていますね。歩きやすいです。
「沢渡の道」と書かれた看板。道幅が広くなって沢登一緒くたになっています。
木を切ってくれてはいますが、だんだんとスピードが遅くなってきました。
これどうなってるかわかりますか? 下りながら左下の方にカーブしてるんですよ。そのカーブの先っちょのところが倒木で埋まってしまっています。なので、ここから真左方向にショートカットして斜面を下ります。
というか、滑り落ちてきました。右上から左下に...一度滑り出したら、踏ん張っても止まりません。数メートルですが滑落です。怪我せんでよかった。
道が崩れて半分ありません。ま、これぐらいなら余裕ですね。
道は真っすぐ正面方向に続いています。うお~。
お~し、やったるで!
それそれそれ!
めげへんぞ!
やっぱ、だめでした...これはちょっとね。
仕方ないので、沢の反対側に渡りました。こちらの方がまだ歩けそうですよ。(沢の右岸:南側)
それでもこんな感じです。そうそう簡単には歩けません。
向こう岸は倒木で歩けそうもありませんね。ぐちゃぐちゃです。向こう岸(北側)の倒木よりも山側は斜面が急で沢に並行して歩くには労力が大きそうです。
そうこうしているうちに道が見えてきました。木を切った後もありますね。でも大きな倒木は切り切れていません。
しばらく行くと、沢の反対側の本来のルートがクリアになっているのが見えましたので、向こう側に戻りましょう。
斜面を降りて沢を越えます。道ができてますね。
沢の水はそんなに多くありません。
本来のルートに復帰しました。ここから先も倒木が見えますが、なんとか行けそうな雰囲気です。
振り返って本来のルートを見ると...こりゃあかんわ。
沢沿いに倒木を超え、くぐり、ぼちぼちと下ります。難所は越えた感じですね。
日陰は涼しいです。とっても気持ちいいですよ。
沢は倒木で埋まっていますが、ルートは大丈夫です。
快調、快調。
たまに、こんなんに出くわしますが、山側なり、谷川なりに迂回可能です。でも斜面が急なので滑落しないように注意が必要です。
ね、急な斜面でしょ。落ちると上がってくるのが大変です。
道中、こんな柚子のイラストが描かれた案内が続いてますので、まあ道を間違うこともないでしょう。
お、「清滝川」が見えてきましたね。
道は少し北に向かっていて、「清滝川」を渡る橋のあるところまで行ってます。
この辺りには倒木はありません。
橋が見えました。
下りてきましたよ。「清滝川」です。今回の出発点である「清滝」から流れてきている川です。ただいま時刻は12時半です。愛宕山から2時間弱で降りてこれました。
水面が反射して撮れませんでしたが、魚がいっぱい見えます。
橋を渡って振り返りました。左手の山から下山してきました。
階段を登っていくと...
上の道に出ます。看板がいっぱい。
「東海自然歩道」の看板です。ここが「落合」です。
階段上がって、右手の「落合橋」です。橋の向こうは「落合隧道」です。
橋の上から見た「清滝川」上流です。
「落合隧道」を抜けてJR保津峡駅を目指します。
このトンネルも出るという噂ですが...
抜けました。昼間でよかった...
この道は「水尾の里」、「樒原(しきみはら)」を抜けて南丹市八木町まで続いています。
トロッコ保津峡駅への入り口です。
つり橋を渡って駅まで行くようになっています。
私は、どんどんと道なりに進んでいきます。対岸の植林。
トロッコ保津峡駅からは、延々と上り坂で、頂上にトンネルがあります。
抜けるとJR保津峡駅が見えます。あと少しですよ。
保津峡駅に近い山の斜面に「つつじ尾根」からの下山口があります。いつもは「荒神峠」から直接ここに出てくるんですよ。
JR保津峡駅に渡る橋のところまで来ました。
橋の横にある石碑には、誰かが使っていたであろう木の杖が...
災害に強そうな立派な橋です。
JR保津峡駅に到着です。時間は午後1時前ですので、「落合」から30分ほどです。
亀岡方面に行くので、ホーム下をくぐって反対側に出ます。
亀岡方向のトンネル。
巨大な橋上駅です。8両編成でも十分余裕で停車できます。
ホームから眺める、「トロッコ列車」の線路と保津川。なんかほっとしました。
今回は、2018年の台風で荒れてしまった、「荒神峠」から「落合」までの「米買い道」を歩きました。ヤマレコには「注意箇所」として挙がってますし、自信のない人は行かない方がいいでしょう。私は好天続きの後に行ったので、道も比較的歩きやすかったのですが、雨の後は倒木を迂回するときに軟泥に足を取られたり、斜面の土と一緒に崩れ落ちて行きそうなところが多くありました。チャレンジする人は心して自己責任でお願いします。
今回は条件が良かったので歩ききることができましたが、あかんと思ったら早めに引き返しましょう。行程には十分余裕を持ってくださいね。
↓前編【初秋の愛宕山登山 その1 空也滝 月輪寺】です
アクセス
- 「荒神峠」愛宕山山頂から下山で1時間程度
- 「荒神峠」JR嵯峨野線「保津峡駅」から「つつじ尾根」経由の上りで1時間30分程度