絶滅危惧種
最近は使うことがあまりなくなった公衆電話ですが、携帯電話が普及するまではこれが街中の主たる通信手段でした。あちこちに電話ボックスがあり、老若男女を問わず、誰かと連絡を取るときにはこの中にこもって、ダイヤルなりプッシュボタンなりを操作していました。市内通話3分10円、100円玉が使える公衆電話もあったけど、おつりは出てこないなど、少々不便ながらも、これが当たり前の「電話」でした。電車のダイヤが乱れた時なんかは駅の公衆電話は長蛇の列でしたからね。
で、爆発的な携帯電話の普及によって、街中の公衆電話は徐々に姿を消し、最近では見つけるのに一苦労です。たまにあるんですよね。電池切れ。そんなときには、とっても頼もしく見える公衆電話ですが、いざ探すとなるとなかなか見つけられません。9月末でポケベルもサービス終了したようですし、公衆電話もいつの日か消えてしまう日が来るんでしょうね。
そんな公衆電話ですが、三条通りにちょっと変わった公衆電話があります。「ちょっと変わった」と言っても、電話機自体は普通の、どこにでもある緑色電話機です。
場所は、三条通り、烏丸から東に行くとすぐに発見できます。
すぐに発見できます、とは言ったものの、これを見ようとして行かないと、町の風景に自然と溶け込んでいて、そのまま通り過ぎうて行きますね。通りの北側の歩道にあります。
「石灯籠型公衆電話」と命名されています。電話ボックスがないので、雨の日は電話かけにくいな、とか思ったのですが、実用よりも、デザイン重視なんです。
というのも...
石灯籠型公衆電話
この公衆電話は、京都電話100周年を記念し、市民の皆様から京都の町にマッチングしたデザインを公募し、100周年の記念日に当たる平成9年5月20日に決定を行った、石灯籠をイメージした公衆電話です。
この公衆電話が映える、京都の景観と町並みが永遠に続くことを祈念し、ここに設置します。
平成9年7月14日 NTT京都支店長 岡田 和比古
とのことで、電話ボックスの中では見えませんからね。通りを行く人に対してのアピールが目的です。でも、この大きさなら歩道にあっても邪魔にはならないし(電話ボックスはけっこう邪魔)、観光地にあってもいいんじゃないでしょうか。
通信という現代社会ではとても大切なサービスは日々進化しており、私たちの暮らしの中ではなくてはならないものになっています。いつでもどこでもつながるという安心感は大切ですね。
アクセス
- 京都市バス「烏丸御池」下車、徒歩5分