静かな境内
七福神の紅一点と言えば辨財さん(辨財天)ですが、京都にもたくさんの「辨財天」が祀られています。言わずと知れた、財運、音楽、芸能の神様ですね。そのなかでも、「大辨財天」と名のつく辨財さんがあります。京都の「大辨財天」を検索すると、千本今出川近くの「大辨財天」がヒットするのですが、今回はもっとマイナーな「大辨財天」を紹介します。
マイナーと言ったら怒られるのかもしれませんが、Webで検索してもあまり情報が出てきません。場所は寺町三条の近所という京都の繁華街に近いところなので、観光客も足を運びやすいところなのですが、みなさんあまり訪れないようですね。
でも、この「大辨財天」さんは、奈良の「天河辨財天社」から勧請した、ほんとに由緒正しき辨財さんなんですよ。京都にいながら「天河辨財天社」にお詣りできるのですから行かない手はありません。
「大辨財天」は寺町通りの御池を少し下がった「天性寺」の境内にあります。さっそく行ってみましょう。
寺町通りから「天性寺」の山門をくぐると、それまでの「お土産屋さん通り」から一転して、いきなり静かな境内になります。山門から境内には少し下り坂になっているんですよ。昔は鴨川の河原だったそうです。
目的の辨財さんは、まっすぐ進んだ正面の右手に鎮座しています。ちょっと車が邪魔な写真になってしまいました。
車がなければいい構図でしょ。緑がきれいです。
シャクナゲでしょうか。良い色ですね。
もう少し待てば日の光が当たるのできれいに撮れるのでしょうけど、いかんせん今日も時間がぎりぎりなので、待ってられません。
ささ、お詣りさせていただきましょう。
正面の鳥居です。
「大辨財天」の御神灯。バッチリ逆光なんで、コンデジではこれが精いっぱいです。
中は、すんごい手入れが行き届いています。ビシッとした感じがします。
「大辨財天」の神額です。
弁財さんには駒札などがなかったので、細かいことはわかりませんが、人を呼ぶという噂の、奈良の「天河辨財天社」から勧請された辨財さんです。
「三輪明神(大神神社:おおみわじんじゃ奈良県桜井市)」の御神水がお供えされていますね。
ご神鏡が光り輝いています。私も今日ここに、辨財さんに呼ばれたのでしょうか。
辨財さんの前には橋が架かってます。今はかれているんですけど、池になっていたんですね。辨財さんはもともとのインドでは水の神様だったので、日本でも水とのかかわりが信仰に影響を与えています。ということで、ここの辨財さんも「火除け」の信仰があるのですが、他とは違って健康な子供を授かるという信仰もあるそうです。それも端正な顔立ちの美男美女に成長するというそうですよ。
天性寺の辨財さんを訪れたのはお盆前の八月、まだカンカン照りになる前の朝の涼しい時間でした。木陰に座って一息つくと涼しい風がそよそよと流れていきます。私の祖母が「私が小さい頃、暑い日に涼しい風が吹くと『極楽のあまり風や』とおばあさんがよく言ってたよ...」と話してくれました。私も孫にこんな話をしてあげられる時が来るんかなぁ。
アクセス
- 京都市営地下鉄「京都市役所前」下車、徒歩3分
- 京都市営バス「京都市役所前」下車、徒歩5分