そのうち廃墟?
昔々、京都は伏見の桃山に「伏見桃山城キャッスルランド」という遊園地があったそうな。高度経済成長時代には年間100万人が訪れる遊園地としてにぎわったそうな。でもな、こどもが少のうなってきてな、なんでも大阪にUSJたらいう商売ガタキができてな、泣く泣く閉園したんやと...
そんな「伏見桃山城キャッスルランド」の跡地に行ってきました。
現在は「伏見桃山城運動公園」として、野球ができるグランド、テニスコート、アスレチックなどが設けられています。この「伏見桃山城運動公園」の方は、休日ということもあって、利用者がたくさんおられたので写真は撮りませんでした。今回は「桃山城」の方だけです。
近鉄京都線の「桃山御陵前駅」から、東に向かってえっちらおっちら歩いてきました。15分ぐらいかな。そんなに坂もきつくないので、散歩にはちょうどいい感じです。
ほらほら、ゲートが見えてきましたよ。ゲートの向こう側は有料駐車場です。
道の脇には、なんともほほえましい道路標識。でもこれ、この絵、けっこう特徴を忠実に再現してるんですよ。
車はゲートから。人間さんは左手の歩道から入ります。
実は、これのために伏見まで来たのでした。「京都一周トレイル」では、「伏見桃山城」の敷地内を通れますが、ゲートが午前7時から日没まで(6~8月は午前6時から)しか開いてませんので、時間外には外周路を通ります。
いざ、中へ。ずいずいと。しかし連休というのに閑散とした駐車場ですね。さすが「ガイドブックに載らない京都」。目的地選びは外してません。
少し歩くと、入場門が見えてきます。
ど~ん、と安定感のある形。昔は「伏見桃山城キャッスルランド」に入るのに、ここで料金を払ってました。現在は無料ですよ。
「伏見桃山城」の変額です。
ゲートを抜けると、目の前に「桃山城」がお出迎え。かっこいいお城なんですけど、当然模擬城なので、当時のものではありませんよ。
鉄筋コンクリート造りですが、現在の耐震基準を満たしていないということで、中に入ることはできません。この天守閣に登ると、とっても展望がいいんですよ。
周りの風景もきれいで、桜の季節には写真撮影にもってこいです。
「伏見桃山城キャッスルランド」がありし頃は、京都市内の小学校や幼稚園の遠足場所としてよく利用されましたし、大勢の子供でにぎわっていました。ジェットコースター(ま、当時のですから、そんなに怖くありませんでした。)やゴーカート、プールなんかもあって、休日一日家族で遊べるレジャー施設でしたよ。
この天守は岡山県の岡山城址にある「林原美術館」が所蔵している「洛中洛外図」を参考にして設計、建築されたものであって、伏見城のイメージを現代風に表現した模擬天守です。「伏見桃山城キャッスルランド」が開園したのが昭和39年(1964年)で、当時のお金で6億円ほどかけて建築されています。
平成15年(2003年)に経営を続けることが困難となり閉園、跡地は「伏見桃山城運動公園」として京都市が整備し、模擬天守は解体される予定だったのですが地元の要望で残されることになりました。
京都市に無償譲渡されたこの模擬天守、色々と活用方法が議論されたのですが、有効な活用方法が決まらないまま阪神淡路大震災を迎え、世の中で耐震基準が取りざたされたこともあり、入場不可となって現在まで放置されています。
今となっては「京都一周トレイル」で横を通るぐらいですかね。お金が潤沢にあればホテルでも始めれば外国人は喜ぶのではないでしょうか。山の上の城に泊れるんですからねぇ。
築城から50数年が経ち、徐々に朽ち果てていくであろう「伏見桃山城」。今のうちに一度見ておいてください。3月の桜の季節にはお弁当を持って訪れるのがいいですよ。
アクセス
- JR奈良線「桃山」下車、徒歩15分