最初にお断り
Blog記事にしておいてこんなことを書くには良くないのでしょうけど、非常に「危険」な所があります。自信のない人は行かないでください。おけがをされても責任が取れませんし、もしお亡くなりになっても同様です。失敗すると数メートル下の河川敷(岩場)に滑落してしまうかもしれません。事故になると、救急はもちろん、山の持ち主にも迷惑がかかりますので、この記事を読むだけにして行かない方が良いのではないかと思います。
また、私が訪れたのは令和2年1月18日ですので、現在は状況が変わってしまっているかもしれません。大雨も降っていたことですので、この記事の情報よりも悪くなっていることはあっても良くなっていることはないと思われます。くれぐれも自己責任で。
事のはじまり
山歩きが好きで、愛宕山や保津峡近辺には良く歩きに行きます。でも、しんどいのは嫌いだし、登山ではなくあくまで「山歩き」です。
なにいうてんのや軟弱者。男やったらしっかりと登山せんかい!
って言われそうですけど、ロープウェーで上がって山頂で写真撮って、その周囲を歩ければ大満足な人間です。
でも「他人と一緒は嫌。」
となんとも自分勝手な所もあります。その「他人」というのも、「全ての他人」ではなく「多くの他人」、つまり、あまり人のやっていないことであって「全然人がやっていないこと」や「前人未踏」とかは、はっきり言って無理です。完全に拗らせています。
で、今回は「唐櫃越(からとごえ)」。そう、明智光秀公が「本能寺の変」でその軍勢の一隊を進めた亀岡市と京都市を結ぶ山道です。このBlogでも登場してますし、ご存知の方もたくさんおられることでしょう。「明智越」と並んで、地元ではまぁまぁ名の知れたハイキングコースです。
もうすでに何回も歩いているし、私にとっては地図はなくとも道に迷うことはないホームグランドです。
ところが、「ヤマレコ」の地図を見ていると、「唐櫃越」と「保津峡(保津川)」の間には、まだ私が歩いたことのない山道がいくつか存在しています。
「唐櫃越」の途中にある「沓掛山」の山頂から、真北に歩いていくと「トロッコ保津峡駅」まで行けそうです。
上の画像のように、何人かの人が歩いているし、まぁ、行けそうな感じなので、一回行ってみよ。
と、けっこう安易な決め方で行くことにしました。でも、もう一度言いますが「トロッコ保津峡駅」の所にとっても危険な個所があります。間違うと大けがしますので注意してください。
出発は馬堀駅 令和2年1月18日
「唐櫃越」のときは、いつものごとくJR嵯峨野線「馬堀駅」からの出発です。
普通電車しか止まりません。快速は隣の「亀岡駅」まで行ってしまいます。
駅の前には『「唐櫃越」本能寺への道』と「明智かめ丸」君が説明してくれています。
最初は住宅街を東に歩きます。
住宅街のはずれで「鵜ノ川」を渡ります。で、どんどん東に向かうと...
「唐櫃越」の入り口です。
振り返ると亀岡市。向こうの山がきれいですね。さて、頑張って山道を歩きましょう。
で、いきなり出てくるのがこれ。獣柵。でも、いつもと違うなんかが貼ってありますよ。
げ。 「出没が続いています。」...一回じゃないんですね...今年の冬は暖冬なので熊も冬眠しないのでしょうね。
なんか、向こうの方から、じぃ~っとみられてるような... お~、やだやだ。
おれは食ってもおいしくないですよ~。もう年いって、干からびかけたおっさんですよ~。 と、小声でぶつぶつ言いながら恐る恐る歩きます。
なんかね、いやぁ~な雰囲気ですよね。藪の中から急にボソッと出てきそうな... ここは90度右に曲がるところ。一応真っ直ぐの方には木の枝などで通せんぼしてあります。まっすぐ行くと保津川の方に降りてしまいます。
鉄塔が見えてきましたね。もうじき最初の山頂です。
まずは山頂に到着です。愛宕山がきれいに見えています。
「みずき山 430m」です。「唐櫃越」の入り口から20分ぐらいかな。急な登りはここまでで終わりです。お疲れ様でした。
亀岡市内がきれいですよ。今日は天気が良くて、空気が澄んでいますね。
んで、お約束の「りんごのデニッシュ」。お前、こればっかりやな、って言われそうですが、ほんまにこればっかりです。
¥140-でこのクオリティーは「買い」ですよ。うまいですよ。
さて、少し休憩したので先を急ぎましょうか。
この辺りからは「比叡山」も良く見えます。
眼下のJR嵯峨野線。毎日、通勤で乗ってます。
「馬堀駅」から「嵯峨嵐山駅」まではトンネルと橋ばかりの区間です。電車に乗っていても、なんにも面白くないです。
と、山道を歩いていると、すぐに広域林道に合流です。
こっから暫くはこんな車道(砂利道)が続くので、歩くこと自体は面白くないです。
でも、景色がなかなかきれいなので楽しめます。むかしの「唐櫃越」のままだったらもっと良かったのでしょうけど、山の整備のためには致し方ないですね。
また、しばらく歩くと、アスファルトの大きな駐車場跡に出ます。
ここからは、車道がアスファルトになって、それこそ苦痛です。ここからは景色も良くありません。
やっと分かれ道。まっすぐ行くと「西山団地」に行きます。
当然、私は「唐櫃越」方面。
やっと山道です。こうでなくっちゃ。
少々倒木もありますが、そんなに苦労はしません。
京都市内が見えます。冬の朝、とても静かです。
倒木帯に入りました。
2年前に比べると、だいぶんと整備されました。黄色のテープを見失わないように確認しながら進みましょう。
少し急な下り坂もありますので注意です。
そうこうしているうちに三角点。
広場のど真ん中。辺りを見回すと...
「沓掛山 415m」です。いつもはここから南方向に少し下がって東に向かうのですが、今回は「トロッコ保津峡駅」を目指して、北の方向に向かいます。
最初はこの「西芳寺川林道」に向かいます。「西芳寺」っていうのは有名な「苔寺」のことです。
まずは下り坂。道すじは良くついてますので、間違うことはないと思いますが、交差する山道がいくつかありますので注意です。
京都市内が見えるのもこの辺が最後かな。
方角としては、「愛宕山」の方向に進みます。
時々こんな梯子もありますので、この辺りは人の手が良く入っているようです。
丸太のベンチ。
西芳寺川林道への分かれ道。こちら方向には行きません。真っ直ぐ北上します。
「愛宕展望ベンチ」。
良く見えます。でもまだつかれていないので休憩は取りません。
けっこう歩く人はいるようですね。この辺りも道ははっきりとしています。
植生が少し変わってきました。杉林です。
杉林の出口に林道が見えてきました。
林道の手前に休憩用のベンチがあります。山仕事の方の休憩b所のようですね。
林道に出ました。
「北 松尾 1」とあります。この辺りのハイキングコースなのでしょうか。
林道を越えて真っ直ぐ北上します。
まだまだ道ははっきりとしています。
おお、渡月橋と桂川が遠くの方に見えますよ。
地図を見ると、ここから左手の方に曲がって登って行くと「山上ヶ峰」に行けるようです。少し登るだけなので行ってみましょう。
道順が書かれていますよ。
はっきりとした道はありませんが、まぁ、この辺かな良いう感じで上がっていきます。
おお、なんだ?
三角点があって山頂のようですね。
「山上ヶ峰 482m」の山頂です。
登り切りました。ちょっと休憩しましょうか。
でも、景色は全然だめです。な~んにも見えません。水分補給したら降りましょう。
つ~ことで、さっきの分かれ道まで戻ってきましたよ。ここからさらに北上しましょう。
植林帯の際を進みます。
お、なんか見えてきました。
なんじゃ? 小屋がありますよ。
「北 松尾 ロータリー 10」とあります。ここも山仕事をする人たちの休憩場所のようですね。
私が行く道は、ロータリーの所ではなくて、小屋の後ろの方の道でした。
さて、ここからです...
少し歩いていくと...
えらい、また激しく危険と書かれた注意書きがあります。自信のない人はロータリーから戻って、嵐山方面に道がありますので、そちらを歩くことをお勧めします。渡月橋の近くに降りられます。
なんども引き返せと書かれていますね。ここからは自己責任です。
確かに急坂になってきました。
倒木の上を乗り越えないといけないのですが、雨の日は非常に滑りやすいものと思われます。本日は乾いているので問題なく越えて行けます。
振り返ると... やっぱり急ですよね。このあたり、倒木で道があまりはっきりとはしていませんが、じっくり見ながら降りるとなんとなくわかります。急がずあわてず、見失いそうになったら確実な所まで戻って、よ~く確かめながら進みましょう。
また出てきました。しかも、この注意書きとても新しいですよ。
そろそろと下って行きます。
どんどん道は下って行きますよ。ほんとに急降下が続きます。逆方向でこれを登れと言われるとちょっと厳しいですね。
最初は真っ直ぐ下っていたのですが、九十九折になってきました。
なんとなく道はありますので迷うことはないでしょう。
九十九折を折り返して下って行きます。急激に高度が下がっていきます。
すごい斜面ですね。木がたくさんあるので斜面が崩れずに持ちこたえているような印象です。
割合と見通しは効きますので、どっち方向に行けばいいのかはよくわかります。
タイガーロープ出現。道は間違っていないものと思われます。
しっかし急な坂ですね。滑落や遭難が起こってもおかしくないほどの斜面ですが、もうすぐ終わりでしょう。だいぶんと下の方に保津川が見えてきました。
またまたタイガーロープなんですけれども...
なんか、ね。
木ぃもしんどかったんやろなぁ。
こんな感じですからねぇ。根こそぎひっくり返ってもおかしくありません。
お、線路が見えてきました。トロッコ列車の軌道敷です。
やっと降りてきました。もうすぐです。
でも、ここが要注意!ここで焦ってはいけません。
実は最大の難所でもあります。
線路下斜面 滑りやすし 一旦滑ると 危険 河原まで7m滑落 引き返して林道まで戻れ
よく見るまでもなく、つるつるの石で床面が斜面になっていて、濡れているとすごく滑りやすそうです。一回滑ってしまうとつかまる所もなく、穴の向こうの所から河原に落っこちてしまいそうです。
ヤマレコの記録では多くの人がここを通るようですが、はっきり言ってやめときましょう。穴の向こう側は切り立ったガケのようになっているかもしれませんので近づかない方がよさそうです。
かと言って穴の上はトロッコ列車の軌道式です。ここに入ってもし列車が来たら洒落になりませんので、当然入ってはいけません。(手を伸ばしてカメラだけ中に入れました)
穴の右手の方に道が少しあるのですが、シェルターの上に上がっていく道で、こっちに行っても保津川の方に落っこちてしまいそうです。
で、どうするかというと、穴の所ではトロッコ保津峡駅には入れないのですが、柵の裏側を通ってどんどん左手方向に進んでいくと、跨線橋の近くに柵が切れているところがあります。
そこから、ちょっと保津峡駅にお邪魔して通らしていただきましょう。
上の画像の左の方にコンクリートと鉄柱の柵が見えますが、これが途切れているところがあります。または、工事用の通路と思われる切欠き部分があるのでそこから駅構内に入ります。
ホントはこんな入り方してはいけないのかもしれません。ごめんなさい。
跨線橋で反対側のホームに移ります。
懐かしいですね。昔はこの駅の所だけ複線で、列車の行き違いをしてました。
保津川です。今日は穏やかですね。
拡張されたトロッコ保津峡駅のホーム。昔は右端の方だけの狭いホームでした。
あっちの方に見えているのが、現在のJR嵯峨野線です。
トロッコ列車には駅が4つあります。
さて、この吊り橋を渡ってJR嵯峨野線の「保津峡駅」に向かいます。
補修はされているんでしょうけど、昔のままの吊り橋です。
振り返って見たトロッコ保津峡駅。
跨線橋の方。さっきの所で滑って滑落したら、7m滑落するって書いてあったのですが、確かにそんな感じですね。お~こわ。
下流(嵐山)方向。
上流(亀岡)方向。
上り下りとも1時間に1本ペースですね。
さて、JR嵯峨野線の保津峡駅まで歩きます。30分弱で歩けます。
到着! いつもの「保津峡駅」、ホッとします。
ホームに来ました。
もうじき下りの普通電車が来ます。30分もあれば家につきます。ゆっくりお風呂に入りましょう。
今回も、怪我することなく無事に帰ってこられました。クマにも合わず、滑落することもなく。ありがたいことです。遊びに行っていて、怪我して仕事を休まなければいけないこととなると顰蹙ですからね。
私がこんなことを言うのもなんですが、臆病者であることはとっても大事だと思います。危険なんて身の回りにはたくさんあるもの。でも、臆病だからよく考えます。無茶をしないで回避します。いままで命を落とすかもしれない出来事には数多く遭遇してきましたが、神様のおかげか何とかここまで生きながらえています。他人からすればそこまでしなくても、とも思われることもありますが、笑われようがどう思われようが、極力回避して生きていきます。
そんなこと言うのなら家でじっとしていろよ、って言われそうですね。そう、そうしなければいけない時にはじっとしています。でも、自分のキャパシティーの範囲内では。いろいろな楽しみごとを行っていこうと思ってます。
今、気になっている山道が2つあります。今は大雨なので無理でしょうけど、梅雨が明けて頃合いが良くなればチャレンジしてみましょう。お楽しみに。
アクセス
- JR嵯峨野線馬堀駅スタート