イノシシと遭遇、ときどき道まちがい...
少し前になりますが、亀岡市の「三郎ヶ岳」に登りました。秋晴れの良い天気の日で、イノシシと遭遇したり、道に迷ったぐらいで、崖から落ちたりとかいうスリルのある体験はありませんでしたのであしからず。(期待してた人ごめんなさい。雑木林の写真ばっかりです。)
「三郎ヶ岳」はパラグライダーの発着地点があることで知られている山ですが、私はまだ登ったことがありません。なので、有給休暇を取った10月21日(水)に一人で登ってきました。
山の南の方から登るハイキングコースがあるのですが、駐車場から歩いていくのが遠くて邪魔くさいので、地図に載ってる山道を登ることにしました。(ず~っと南東方向の道沿いにハイキングコースの看板が有るので、そちらから登れば吉)
自宅から車で亀岡市の「平ノ沢池」にある「水鳥のみち」にやって来ました。ロードパークがあるので車を停めさせていただきます。
「水鳥のみち」と名のつくようなところですから、野鳥観察がメインの所のようですね。
道路の両側に池が三つあります。
まだ朝に早い時間なのでだ~れもいません。
道沿いに南に向かいます。
少し歩くと、パラグライダースクールの看板がありますので、ここを山の方(東)に向かって進みます。
この時間、もやで隠れて見えていませんが、真正面に「三郎ヶ岳」が見えます。
山の方に歩いていくとパラグライダースクールの着地点があります。
道の反対側も着地点です。
お? なんかいます。キジ? 鴨? すぐに木々の中に消えたのでよくわかりませんでした。ここで飼われているようですね。
山裾にかかり傾斜が急になってきましたよ。
獣柵、発見。ここから山のエリアですね。
柵の向こう側はきれいに整備された道が続いています。柵の中に入ったら、チリンチリン(クマちゃん除けの鈴)つけて、催涙スプレーの安全ピン抜いて、もしものことがいつ起こってもいいように準備します。
良い感じの杉林。るんるんなんですけど、実はこれが落とし穴...
左手に山から流れてくる水で土がえぐれないように金属製の防護流路が敷かれています。この時点で知る由もないのですが、ホントはこの流路の左側(北側)に進まなければならないのでした。橋も無ければ渡ったところに道も確認できないので、普通なら絶対に間違ってしまいます。
しばらく進むと案の定、スマホは道なき道を指しています。でも、今までそれらしい分岐点はなかったし、自分の歩いている道は広くて鮮明だし、あれれ。
そういえば、分岐のようなところは一ヵ所ありました。でも、あそこはどう見ても自分が歩いてきた右側が本道のようだったし...ちょっと戻ってみるか。
ここ。どう見ても右なんですけどね。
しょうがないから左に行ってみるか。
ほら、やっぱり行き止まりじゃん。いきなり壁で道途切れてるし。 ほんでもって、なんでか知らんけど、コンクリート枡なんかおいてあるし。なんかの嫌味でっか?
わしのスマホはむっちゃ古いので、時々GPSの信号が拾いきれなくて地図からずれて表示されるので、もしかしたらスマホが間違ってるんかな? う~ん、謎。
すったもんだで、結局は目の前に見えている一番太い道を進んでみることにしました。少しずつ左より(北方向)に進路を変えていけば、そのうち本道に合流するやろ。(ホントはもっと手前の根本的な所から道を間違ってました...)
ほら、やっぱりこっちの方が歩きやすいよ。しっかりと道もついているし...
そうそう、しっかりと道も...
...なくなっちゃったよ。
しょうがない、谷の中を上がっていくのは倒木が多すぎて無理みたいだから、渡れそうなところで谷を渡って道探そ。
で、調子よく谷底に降りたのですが...
降りたからには、登らねばならん。この壁を...登るんですか...やっぱり...上の方の木の根っこをよじ登ればなんとかなりそう...もうね、最近山に来ると毎回こんなんばっかり...どう見ても壁やし。
もう、むちゃくちゃ。はいつくばって登ります。何回か落ちたけど、やっと一番上の木の根っこにつかまりました。これ引っぱって、根っこごと谷に落ちたらマンガそのものですよね...
おお、何とか登りましたよ。登ったところは平穏な斜面。道ではないですけど登って行きましょう。
と言ってるうちに、またすぐ先で行き止まりになっていて道はなさそう。
仕方ないからまだ左手にある傾斜の上に登っていきましょう。もうすんごい傾斜で、ひいこらひいこら、ハイキングコースではありません。
登りきると、おお、道発見。 これですよ、これ。この道が本道に違いありません。やっとリカバリです。
よし、行くぞ~。
快調、快調、こうでなくっちゃ。さっきの苦労がうそのよう。
もやも晴れていい天気になってきましたよ。
ちょっと写真では確認しづらいですが、「三郎ヶ岳」の頂上に何やら幟のようなものがはためいています。
亀岡市内の方は木々であまりよく見えません。
とりあえず、どんどん登りましょう。雑木林が続きます。
倒木でわかりにくいですが三差路になってます。左から来ている道は北の方にある「松尾神社」の近くから登ってくる山道です。そのまま直進します。
ビニールテープもあるのでこのままの道でよいようです。
そのうち、ビニールテープ見なくなったな、と思ったら...
また、道が消えてしまいました。う~ん、分岐点もなかったし、道らしきものは自分が歩いてきたところだけだし...今日は全然だめですね。スマホの地図では、今度はもっと右寄りに道があるとのこと。
下の方に沢があるので、沢沿いに登っていきましょうか。
沢もとぎれとぎれですね。でも道のようになってますので、とりあえず行ってみます。
広くて歩きやすいです。まあええか、このままで。
やっぱり森林は良いですね。心が洗われます。
ちょっと細くなってきましたよ。
と、そのとき、ガサガサ、ドドドッ!
わし:「ひえ~~~~!(大声)」
大声にびっくりして、イノシシが2頭斜面を駆け上がって林の中に消えていきました。
わし:「あ~~~っ、びっくりした~~!(さらに大声)」
いきなり近距離で出くわさなくてよかったです。1頭はうりぼうよりは大きかったですが子供のよう、もう1頭は親のようでしたから突進してきたらひとたまりもありません。
「あ”~こ”わ”か”った~。」と2,3歩すすんだら...
ドドドドッ!
「ぎょえ~~~~~~~~~!!!」咄嗟に写真撮りましたが、あまりよくわかりませんね。今度は4頭ぐらいが駆け上がっていきます。それも至近距離。1頭はどう見ても成獣で、肝がつぶれました。もう下半身ガクブルです。しょんべんちびりそう。
一応、クマちゃん向けの催涙スプレーは持っますが、イノシシに効くのかどうか分かりません。
もうね、そこから抜き足差し足忍び足...カメラとスプレーを両手に持ち、腰が後ろに引けた情けない格好でそろりそろりと進みます。
出んなよ~。 出んなよ~。
先の方が見通せるとホッとします。
またまた、なんか嫌な予感。倒木あると逃げられないしね...
おお、道(沢)もここまでか? 今度は道の無い斜面を登らなあかんのか?
仕方ないから登りますが、う~、いかにも出そう。
もう勘弁してください。
だんだんと斜面がきつくなってきましたよ。
おお、出た! 道!道!道!
はっ、はっ、はっ、はっ。 犬のように興奮してます。林道に出ましたよ。林道に立って、今登ってきたところを覗きこんでます。ああよかった。
さて、この林道を右(南)の方に行くと「三郎ヶ岳」の山頂です。
お、なんか見えてきました。
広場に出ましたよ。広場の左端の方(東)に三郎ヶ岳に続く道があるのですが、林道の先に何か見えるのでちょっと進んでみます。
おお、パラグライダーの発着場ですね。
みなさん、ここから飛んでるんですか。
飛行可能なエリアが書かれています。
関西電力からのお願いがあります。そういえばこの辺りは高圧電線があちこちに走ってますよね。
こりゃすごい景色ですね。こっから飛び立つと気持ちいいことでしょう。
だいぶんと遠くまで見えています。
下の方に出発した「平ノ沢池」が見えます。
登り道の途中で見えていた幟です。元気に泳いでいます。
良い景色を見せていただきました。本来の目的の「三郎ヶ岳」山頂を目指しましょう。
と、その前に林道を戻って、道を間違わなかったら出てきたであろうところを確認しておきます。そこがわからなかったら、山頂から南のハイキングコースを下りることにします。
スマホの地図を見ながら探すと、どうもここのようです。
よ~く見てみると、小さな札が掛けてありました。じゃあ、帰りはここから降りましょうね。
さっきの広場まで戻ってきました。今日は行ったり来たり。広場の端の方に道があるのですが非常にわかりにくいです。
一応、立札がありますのでよく見てくださいね。
最初は道があるのですが...
だんだんと雑木林でわからなくなります。でも、高いところを目指せばいいのでそんなに困りません。
お、広場に出たと思ったら、山頂に着きました。
林道に戻る標識がありますね。
ここにも何かあったのでしょうけど、棒だけしか残ってません。周囲を探したのですが札の方は見当たりません。
山頂です。やっと着きましたよ。
でもね、周囲は林で展望がありません。ちょっと休憩しましょうか。いつものリンゴデニッシュをいただきます。ただ今11時半です。駐車場から2時間弱と言ったところでしょうか。
さて、ゆっくりと下山します。山頂付近は道があまりはっきりしてません。
あれ?違うところから林道に出ました。ま、いいいや。
さ、本来のコースに分け入ります。
怒涛の下り、道がはっきりしているので歩きやすいです。どんどこ下ります。
それ、それ、それ! あれっ? なんかおかしい。 チリンチリン(クマちゃんの鈴)の音が途絶えたよ...
あれま、革のベルトがちぎれてしまったようです。チリンチリンが無いととっても不安です。イノシシいやです。
チリンチリンや~い! どこ行ったぁ~! また登って行きます。
はっけん!! よがった~。 これでちょっとは安心できます。
今度は手に持って下ります。
テープもあります。
標識もあります。 楽勝です。
どどどどどど~。 景気よく下ります。たまに根っこに引っかかって、前にぶっ飛んで盛大にこけます。
こっち、こっち。これはありがたい。
登りのときは多分この辺りで道を間違えてしまったのでしょう。
降りるときにはなんとなくそれなりに道が見えます。
なんとなくこっちの方でしょう。
やっと、元の道に出ました。振り返ってきた方を見ても、登りのときにはここが分岐点だと明確にわかるところはありません。ま、間違っても仕方ないなぁ。
さて、ここからしばらくは道なりで大丈夫です。はっきりとした山道が続いています。
また快調に下って行きます。しかし、今日も誰とも会わへんなぁ...
登りのときに幟を見てたところまで来ました。やっぱり写真にすると見えませんね。肉眼では確認できます。
だいぶんと下ってきて展望は望めません。木々の間を走るように降りていきます。
この辺りが、一番初めに道に迷っていたところです。画像の左下の方で沢をウロウロしてたのですが、本道は右の方に続いていますね。こりゃ全然ダメなわけです。
本来、登ってくるべきであった道を下って行きます。そりゃまぁ快調ですよ。この道幅なら。
最終的に細い川に出てきて道は途切れています。ここは深いので渡れそうもないですね。水が無いので無理したら渡れますが、対岸の石垣登の面倒です。もう少し川沿いに下りましょう。
お、砂防ダムがあるのでここから向こう岸に渡ります。
ここなら余裕で渡れます。
渡ったら、一番最初に歩いた道ですね。
少し下って行くと獣柵の所です。
私と同じ道から登る方、この金属構の北側を歩いてくださいね。お間違いなく。
獣柵が見えてきました。
やっと帰ってきましたよ。
しっかりと閉めて完了です。
集落を抜けて駐車場の方に行きましょう。
着地点。少し風が吹いています。
「平ノ沢池」が見えて来ました。
振り返って見ると、あの山の上に行ったわけです。
一番望遠で70㎜。なんとかパラグライダーの発着場が確認できます。
「平ノ沢池」のロードパークまで帰ってきました。
ま、山としては普通の山で、山登りの好きな人にとっては物足りないような山でしょうけど、私にとっては十分に冒険ができた楽しい山でした。普通のハイカーならば、色とりどりのきれいなウェアで下山してくるのでしょうけど、谷で壁をよじ登り、下りで足を引っ掛けては転倒を繰り返して全身ドロドロの格好で、こいつどこの山に登って来たんや? と思われそうないでたちで下山してきました。いやぁ、楽しかったなぁ。
山に行く人、今年は全国的に木の実が不作だということで獣が人里近くまで来ていますので注意してくださいね。特にクマちゃんに遭遇するとタダでは済まないようなので、チリンチリンは当然のこととして護身用の催涙スプレーなんかもあった方がいいかもしれません。
アクセス
- 水鳥のみちロードパーク・・・京都縦貫道「千代川IC」より、車で20分程度