秋葉神社(亀岡市紺屋町) 他にも不明の神社あり

元秋葉

またまた亀岡ネタですんません。

今回は亀岡市の「秋葉神社」です。亀岡市内にはいくつか「秋葉神社」がありますが、「紺屋町」にある「秋葉神社」です。(今日時点ではGoogleMapに載ってません)

鎮座している場所は市街地なのですが亀岡駅からだいぶんと西の方、市役所や警察署に近いところです。

さて、本題の「秋葉神社」から少し話が飛びますが、光秀公の築城した亀山城の城下町は惣構(そうこう)と呼ばれる土塁や堀で周囲からの侵入を阻んでいました。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No2

ここは「穴太口(あなおぐち)」と呼ばれる「穴太寺」や能勢の妙見さん方面に続く「惣構」の出入り口でした。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No3

なかなか読みにくいのですが「あなう(あなお)」「妙けん」の字が見えます。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No4

藤棚の後ろにはお地蔵さん。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No5

で、「穴太口」の石票の反対側には亀山城の「外堀」が残っています。

丹波亀山城外堀
(穴太口付近)

亀山城内外は 内堀外堀惣堀と三重のお堀と御土居で仕切られていた
この付近は亀山城跡の南西に残る二重目の外堀跡で城下町から穴太寺方面への出入り口である

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No6

で、道の反対側が「大圓寺」というお寺なんですけども、ちょうど外堀に沿って敷地があります。この石垣が外堀そのものです。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No7

「大圓寺」の墓地側の門。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No8

この外堀はいつ頃造られたのかは正確には不明なのですが、江戸時代に築城された城にはこういう防御の仕掛けは見られない(江戸幕府になって戦乱がなくなった)事を考えると、光秀公の時代か、遅くとも太閤秀吉の時代ではないでしょうか。

実は、亀山城の惣構はけっこう色々な所に残ってるんですよ。でも、組織的な保護策がほぼ行われていないので、このまま放っておくと徐々に失われていくものと思われます。

さてさて、ここからは本題の「秋葉神社」。「大圓寺」の墓地の道を隔てた反対側に鎮座してます。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No9

どど~~ん。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No10

昔ながらの「秋葉山」と掲げられた神額です。全国の「秋葉神社」の総元締は「秋葉山」を御神体とした「秋葉山本宮秋葉神社」ですから、「秋葉山」とするのが本筋ですね。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No11

鳥居には「弘化三年」(1846年)と刻まれています。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No12

秋葉神社の案内書きです。

秋葉神社

元禄十五年(一七〇二)、青山下野守忠重が遠江国浜松より丹波亀山藩主に転封してきますが、着任の翌年四月十六日の夜半、亀山城下では火災が発生し、町屋の多くが被災しました。このほか、貞享・元禄のころには、人が集住する城下町ではたびたび火災が発生していました。
亀山藩主として着任した青山忠重は、前任地の浜松で防火の神として広く信仰されていた秋葉三尺坊を城下m地の紺屋町裏惣堀内側の穴太口に仮宮を建立して勧請し、城下の防火を願ったといいます。
『医王山三尺坊大権現小祠之記』によると、その後享保十七年(一七三二)に亀山城下の郷長であった杉原守建が、城下を眼下にすることのできる医王谷の奥に聳える小坊主ヶ岳の山頂に遷宮することを願い出て、寛延三年(一七五〇)に遷宮されたということです。この地にも小祠が残され、遷宮後も「元秋葉神社」として崇敬されています。

「秋葉神社」といえば言わずと知れた防火の神様ですよね。あの「秋葉原」の語源にもなった有名な神様です。京都では防火といえば愛宕信仰が盛んです。これは江戸時代に秋葉信仰が盛り上がりすぎて幕府が禁止令を出したこととも関係があるのでしょう。

ではお詣りしましょう。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No13

手水舎です。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No14

まわりを見ても井戸などないようですが、水はどうしていたのでしょうかね。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No15

御本殿です。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No16

ちゃんと榊が供えられています。「元秋葉」となっても地域の人々の信仰には変わりは無いようですね。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No17

で、本殿の後ろの石垣に「惣構土居」と書かれた駒札がありました。

惣構土居

かつて亀山城下の周囲には、土居と堀からなる惣構が巡っていた
古地図によると土居の高さはおよそ二間(約四メートル)であった。
秋葉神社の軽打には、惣構土居の遺構が残っている

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No18

これですね。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No19

少し形が崩れてきているところもあります。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No20

で、土居の上のところから外の方を見ると、向こうの方にもう一つ神社が見えるではありませんか。

ちょっと、行ってみよ。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No21

すぐそこでした。家と駐車場の間の狭いところに鎮座しています。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No22

はて、何神社やら...

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No23

なかに祠が見えますね。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No24

どうもお稲荷さんのようですが、神社の名前はわかりません。「秋葉神社」もさることながら、この神社もGoogleMapには載ってません。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No25

で、ちょっとびっくりしたのが絵馬。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No26

たくさんの絵馬が奉納されています。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No27

木の札には何か書かれているようですが判読不明です。創祀や改修に費用を出した人たちでしょうか。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No28

天井にも絵馬。

古い絵馬がいっぱいあるということは、けっこう古くからある神社のようですね。たぶん、資産のあった家の邸内社であったのではないでしょうか。

秋葉神社_亀岡市紺屋町 No29

『麒麟がくる』ではあまり大きくは取り扱われなかった「亀山城」ではありますが、城下町には当時から江戸時代ごろまでをしのばせる遺構や建築などが残ってますので、ポチポチ歩いてみるのも面白いですよ。

アクセス

  • JR嵯峨野線「亀岡駅」下車、徒歩20分程度

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