山へのお誘い
今回は山歩きの記事です。
山歩きに全然興味の無い方、できたら写真だけでいいので少し見てほしいです。私も生まれてこの方、つい3年前までは「山」なんてしんどいだけ、なんで休みの日につらい思いしてわざわざ登るんやろ、としか思ってませんでした。
でも、3年前のある日、なぜか山を歩いてみようという気になって、たまたま歩いた京都一周トレイルで目覚めてしまい、暇があったらウロウロとうろつくようになってしまいました。
有名な登山家のように「山は魔物」とか「そこに山があるから」とかそんな強烈な思いがあるわけではありませんが、山をぽちぽち歩いていると、なんとも言えない幸福感というか充足感で満たされて、また休みには山に登ろうと思うようになってきました。
当然、快晴の日に見る景色は最高ですが、曇りの日には曇りの日なりに優しい景色に出会えるものです。
そんなに有名な所でなくてもいいので、ちょっと山の中を歩いてみませんか?
久々に 京都一周トレイル
そろそろ台風シーズンですね。その前に山歩きをしようと思い立って9月15日(水)に京都一周トレイルの一部区間を歩いてきました。
京都一周トレイルは初心者向けのトレイルコースで標識もしっかりしていて、公共交通機関との接続もあちこちに設けられている、短時間でも楽しめるコースとなっています。
でも、山歩きなので安易な考えは禁物。大雨の後などはコースが崩れていることもあるので注意が必要ですし、シーズンによってはクマが出没することもあります。なので、歩いてみようという方は最低限の装備をして何かあったら無理をせずに引き返すという気持ちで臨んでください。
コースは普通の運動靴でも歩けますが、できれば1万円ぐらいでいいのでトレッキングシューズを履いたほうがケガに会う確率も低くなりますし、歩きやすいです。それと長袖、長ズボンは用意しましょう。もしも こけたりしたときにはケガが軽くて済みます。自慢ではないですけど、今回も長袖に救われました。それと、以前にもBlogで書きましたが、獣が通る所にはマダニがいる可能性が高いので、長袖、長ズボンは必須です。マダニ対策にはイカリジンのような虫よけのスプレーを膝から下、袖口、首回りなどに吹きかけておきましょう。
あと、京都一周トレイルは専用の地図が販売されていますしYAMAPにもコースがありますので、道迷いをしないように供えを万全にしておきましょう。
前置きが長くなりました。今回は京都一周トレイルの北山東部コースと東山コースの一部を歩きます。
私は今まで、北白川別当町のバス停から歩いてバプテスト病院まで行き、そこからコースに入って瓜生山から比叡山、横高山、水井山、仰木峠から大原に降りるコースをずっと歩いていました。でも、このコースを反対に歩いたことがありませんでした。なので、今回は大原の手前の「戸寺」バス停から出発して仰木峠から比叡山へと向かいます。
今回も写真いっぱいです。パラパラと流すように見ていただいたら結構です。京都一周トレイルの雰囲気は十分伝わると思いまし、実際行ってみると、おお、ここか!と思っていただけることでしょう。
戸寺 朝7時30分
大原行きの京都バスでやって来ました。本日はどんよりとした曇り空。天気予報ではお昼前から晴れて来るとのことですので期待して歩きましょう。
「戸寺」バス停です。京都市内に少し戻ったところにある点滅信号のところから山に向かいます。
最初は集落の中。雨上がりで急坂のアスファルトも滑りやすいですよ。
これが京都一周トレイルの標識です。これをしっかり見ていけばまぁまぁ道を誤ることはないでしょう。自信の無い方、標識ごとにデジカメかスマホで写真撮りながら進みましょう。
墓地の前です。ここが最後のアスファルト。山に入る準備をします。アームスリーブとネックゲイターをつけてイカリジンをシュコシュコ振りかけます。ほんでもって、クマよけのチリンチリンをザックにつけて、撃退用のスプレーをセットします。手袋つけたらレッツゴーっ!
なんせ一人で歩くので、どんなことが起こっても良いように、できる範囲で対策をします。
さて、山道突入です。
まずは獣除けのゲートです。右端の小扉から入りましょう。入った後は必ず施錠してくださいね。ただ今、7時40分です。
暫くは沢沿いの小径を歩きます。杉林の中で涼しくて気持ちいいですよ。
「旧若狭街道」の看板。
少し細くなっているところもありますが、基本歩きやすい道が続きます。
コンクリートの橋ですが、大雨が降るごとに周りの土が侵食されているので通行注意です。危ないところや道を間違いそうなところには京都一周トレイルのテープが張られています。
だんだんと山が深くなってきました。シダの色が良い感じです。
標識 北山21番です。見えにくいですが、橋を渡って川を越える図が描かれています。
その橋。
けっこう楽しいよ。
で、現れるのが、「壁」。ここ登ります...
ちょっと登って振り返りました。いつもは反対側からくるので、こんな景色を見ながらどんどこ、飛び降りるように下ってくるのですが...
今回はいつもと反対なので、延々、こんな山道を登って行きます。
しばらく進むとすこ~し傾斜が緩くなりました。
老体にムチ打って登ってきましたよ...そらもう、ゼイゼイ、ハーハー、よだれが口から垂れそうなぐらい息が上がります。
この坂道は「ボーイスカウト道」という通称が付けられている道で、日本ボーイスカウト京都連盟が造林活動をしているところです。
この辺はまだ傾斜が緩やかです。
境界地まで来ました。もう少しで上の道に出ます。
おお、あこかな? この急坂ももう少し...
おおおお、上の道が見えたぞ!
出た~。大原と仰木峠を結ぶ道に出ました。ただ今8時20分。ゲートから40分間の死闘でした。達成感抜群。今日はやり終えた感、満載です。
もうここで、本日の体力75%は消費してしまいましたよ。残り25%で何とか行きましょう。 この後の道で、こんなに死にそうな箇所は残ってませんので、後はハイキング気分でタラタラ歩けます。
こころなしか、ザックの荷物も軽くなったような気分で山道を歩きます。
お、橋が新しくなってますよ。
道の横にはこんな谷もあるので、日が暮れてから歩くのはやめた方が良いです。
上の方に見える尾根は、仰木峠から梶山を経て途中峠の方に行く道です。
仰木峠 到着
少し歩くと前方に標識発見。
東海自然歩道の標識です。仰木峠まであと100mです。
仰木峠到着です。8時35分です。
仰木峠から琵琶湖川に降りると雄琴温泉に行きます。
で、さっき見た尾根道に少しは行ってみます。
すこ~し歩くと...
琵琶湖がバッチし見えるところに出ます。今日は雲が流れているので湖面があまり見えないですね。
雲の切れ間から見えてきました。
拡大すると琵琶湖大橋です。
ここでちょっと休憩しましょう。青空も出てきたことなので、お約束のパン(リンゴデニッシュ@7-11)をいただきます。わ~い。
休憩を取って少しリフレッシュ。仰木峠まで戻ってきました。左の方に降りると雄琴方面です。私は右手の延暦寺・比叡山方面に進みます。
暫くはこんな歩きやすい道が続きます。
快適快適。雨上がりですが山の上なので涼しくて心地よい風がそよそよと吹いています。
東海自然歩道の標識です。その奥に京都一周トレイルの標識がわかりますか?
実は、ここ、右の方が正解です。階段は上りません。
地面に落ちてる標識です。「水井山・横高山」を登りつつ延暦寺に向かいます。
今回も痛い目に会う
ここまでは快調にやってきたのですが、世の中はそんなに甘くありません。
また、少し荒れた登り道。くねくねと九十九折れで上がって行きます。
で、本日、第1回目の大失敗。道をまっすぐ上がってくると上の画像のように倒木の根っこで道がふさがっていて、木の左側にわざわざ道ができています。よせばいいのにひっくり返った木の写真を撮りに行こうとして、こっちが真っ逆さまにひっくりかえってしまいました。
左足で地面に出ている木の根っこを踏んだ瞬間、体重をかけた左足は雨でぬれてつるつるの根っこでスパッと右方向に吹っ飛びました。左側が坂になってるので、このままでは左肩から地面に突撃です。いかんと思って左手を伸ばしたのですが時遅し。左のわき腹が地面の大きな岩にぶち当たりました。
ゴッ。
鈍い音。息ができません...わきの下の少し背中側を直撃したようです。少しずつ息をして回復を待ちます。
んんんんん、いだいようううう。
バックルはずしてザックから腕を抜きゆっくりと上半身を起こします。肋骨は折れてないけど、患部を手で触ると少し血が付きます。擦過傷と打撲で済んだようです。
少し休みましょう。左半身ドロドロになってしまいました。
回復してきたのでぽちぽち歩きます。もうしばらく登りです。
で、今度は下り。ここには標識はないですけど、小さな山の頂上ですね。まだ「水井山」ではありません。
で、下るとまた登り...まだ緩やかですね。
途中にあった木。動物が削ってるの? まさかクマとか...そんなこたぁないか。
京都一周トレイルは何にもないところにもいきなり標識があったりします。一定距離何もないと不安に駆られて道迷いしてしまう人もいるんでしょうね。
さて、またダラダラと登りますよ。
何はなくとも写真はずっと撮ってます。苔のきれいな木の幹。
ここだけ別世界のような切株。意味もなく写真撮りながら歩きます。
水井山
だいぶんと登り道を歩きましたよ。
頂上が見えてきました。
「水井山」到着のようですね。
標識も立ってます。さっき休憩したのでここはスルー。
で、またとんでもない下り坂。いつもは上ってくるんですよね。ここ。
坂を下り切ると...
また登り...これの繰り返しです。
緑が美しい。心が和みます。
横高山
ダラダラと登ってきましたが...
なんやかんやで「横高山」の頂上です。急坂はなかったので楽勝。
この辺りだけこんな標識があります。
いつもはここで休憩しているのですが、逆回りでまだまだ歩けそうなのでスルーしましょう。
でね...
こっからが地獄の下り。下からは地獄の登り。
とんでもないですよ。ここ。腰が破壊されそう。危ないのであんまり写真も撮れません。本人真剣です。
そろそろと降りてきて下の広場が見えてきましたよ。
「横川」方面の分かれ道になってます。
私はそのまま「延暦寺」を目指します。
道の途中の石碑。
玉体杉
で、歩いていると、いきなり出てくるのがこれ。
「玉体杉」まで来ました。
回峰行のときにはここから御所を拝んで玉体加持をするそうです。
ちゃんと京都市内が見えますよ。御所もバッチリ。
さて、また道を歩いて行きます。
しばらく「奥比叡ドライブウェイ」と並走します。
この辺りはもみじの紅葉がきれいにみられるところなんですよ。
ここからも琵琶湖が見えるのですが、今はちょうど雲がかかってますね。残念。
まっすぐ行くと「青龍寺」ですが京都一周トレイルは左の階段方向です。
延暦寺の境内が近づいてきました。
「奥比叡ドライブウェイ」も平日は静かです。工事用の車両が通ったり、ほんのたまに観光の車が通ったりです。
正面に巨木。
すんごい存在感。パワーをもらえそうな木ですね。
延暦寺 寺域
そろそろ延暦寺が近くなってきました。
さて、石段を下ると...
トンネルで「奥比叡ドライブウェイ」をくぐります。
じゃじゃ~ん。ちょっと楽し。
腰をかがめないと通れないような小さなトンネルです。
なんか咲いてます。
ここらあたりから明確な延暦寺の境内です。
牧水の歌碑。三年前の台風のときには巨木の直撃で倒れていました。
トイレを借りてまた歩きます。境内の道とトレイルコースはところどころ一緒になっているのですが、諸施設を拝観しないで通るだけでしたら拝観料はかかりません。
少し道を離れてトレイルコースは林の中を進みます。
ここ、上から写真撮りましたけど、道の真ん中が水の流れでえぐれており深さが7,80㎝ありそうなぐらいです。滑ってはまると怪我しますの注意。人が歩けるところは非常に細いです。
巨木の林の中を通って行きます。とっても神秘的。
お堂が見えてきました。
階段を上がると境内の道に合流です。
それ、出てきましたよ。
反対側から一周トレイルを歩いてくるとちょっと迷うところです。
ここからしばらくは延暦寺内の道です。むっちゃ歩きやすいです。
延暦寺の中でも端の方なのであまり人が歩いていません。
あちこちに点在するお堂の周りはきれいに整備されています。
今度は階段を上がります。
登って登って…
むう...長いよう...
もう少しです。
上がり切りました。向こうに見える橋を渡ります。
「奥比叡ドライブウェイ」を渡る橋。
横には京都一周トレイルの標識があります。
「北山 7」まで来ましたね。あと6つでケーブル比叡駅です。
さて渡りましょう。向こうの道から山水が流れてくるので床面はぬるぬるです。滑る滑る。
相変わらず「奥比叡ドライブウェイ」は静か。
今度は右の方に行きます。
また登りです。でも登りはもう少しで終わるんですよ。いっひっひ。
古い古い石柱が並んでいます。
反射板になっていたのかな。
昭和10年ごろの石碑。苔でうっすらと緑色。
右手に石垣出現。
で、「北山 5」の標識。
石垣の上には「鎮護国家」の石碑があります。ここが延暦寺の境内の境界になります。
延暦寺の境内を離れてケーブル比叡駅に向かいます。さすがに雨上がりの平日。いままで、まだ一人しか道を歩く人に出会っていません。
さて、後半は比叡山から北白川に向かって降りていきます。次回お楽しみに。
アクセス
- 京都バス「戸寺」