神々の時代を感じられる奥ゆかしい神社
ロマンあふれる神話の世界に足を踏み入れてみましょう。
京都市営地下鉄「蹴上(けあげ)」駅から地上に出ると、目の前に三条通りが九条山の方に続いています。ここから三条通りを少し九条山の方へ上がると、日向大神宮の参詣道があります。
参詣道の最初は石畳が整備されてとてもきれいです。人家の前の道にもなっており、生活感も少しあります。
この参詣道はずっと上り坂で、少し疲れますが、緑がきれいな山入端で、インクラインの東の端を通り、旧九条山原水ポンプ室などがみられる場所でなかなか良い景色に恵まれています。
しばらく上ると、人家もなくなり山の中へ来たという感じになります。10分と少々歩いたでしょうか、日向大神宮の駐車場につきました。
道なりに上がってくると。左手が本殿、このまままっすぐ進むと、伊勢大神宮遥拝所に続きます。
手水舎です。夏の暑い日で、汗びっしょりになったので、ちょっと一服します。
さて、手水舎から本殿の方へ階段をもう少し上がります。画像の階段の一番上が拝殿や、外宮のある場所です。
下宮・内宮
階段を上がると、拝殿があります。
そのすぐ後ろに外宮があります。
そして、外宮のすぐ後ろの階段の上に内宮が見えます。
最後の階段を上がります。
内宮につきました。天照大御神(あまてらすおおみかみ)を主神にお祀りしています。
天の岩戸(戸隠神社)
内宮の左手に、参詣道が続きます。
「天の岩戸」へ続く参詣道です。
内宮に天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られているのですが、ここに、神話の「天の岩戸」があります。
古事記などにも出てくるこの洞窟は、乱暴を働く素戔嗚尊(すさのおおのみこと)を見畏み(真剣に自分の力の足りなさを反省して、人々の生活が良くなるように祈った)、天照大神(太陽の神)が引き篭った洞窟です。天照大神が隠れてしまった事によって天上界は暗闇に包まれさまざまな災禍が起こりました。
八百万の神々は天の安河の川原に集まり、対応を相談しました。思金神(おもいかねのかみ)の案により、さまざまな儀式が行われます。最後には、天宇受賣命(あめのうずめ:日本最古の踊り子)が天の岩戸の前に桶を伏せて踏み鳴らし、神憑りして踊りました。
すると、鳴り轟くように八百万の神が一斉に笑ったので、天照大神は天の岩戸の扉を少し開け外の様子をうかがいます。「なぜ天宇受賣命は楽しそうに舞い、八百万の神は笑っているのか。」と尋ねると、「貴方様より貴い神が表れたので、喜んでいるのです」と言い、天児屋命(あめのこやねのみこと)と太玉命(ふとだまのみこと)が天照大神に鏡を差し出しました。
鏡に写る自分の姿をその貴い神だと思った天照大神が、もっとよく見ようと岩戸をさらに開けると、隠れていた天手力男神(あめのたぢからお:怪力の神)がその手を取って天の岩戸の外へ引きずり出しました。こうして、国中が光を取り戻し、天上界は平穏な国に戻ったといわれています。
洞窟の前に来ましたが...後光がさしてなんだか神々しい感じがします。中は暗そうですね...
気が弱いので一人で来たことを後悔しています。
中には「戸隠神社(とがくしじんじゃ)」があります。
この洞窟をくぐる「ぬけ参り」は開運厄除けのご利益があるといわれています。お詣りを済ませたら、左手の方に抜けて外へ出ます。
境内・いろいろ
ここの境内にはいろいろな末社や史跡がいっぱいあって、ゆっくりお詣りをしていると2,3時間掛かるかもしれません。
影向岩(ようごういわ)です。神様が降臨する神聖な岩です。
境内には平安時代の清和天皇の手植えだったという御神木の桧があったのですが、昭和9年(1934年)の室戸台風で損傷し、翌年に枯れてしまいました。地上3mのところで七股に分れていたそうです。また、周辺にも樹齢200年の桧が数十本もあったそうですが、これらも台風により倒壊してしまったそうです。
さて、外せないのがここ、縁結びの神様「福土神社」です。
福土神社は縁結びで有名な大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀っています。
福土神社は絵馬ではなく、お皿(かわらけ)に願い事を書いて奉納します。お社には、たくさんのお皿が奉納されており、恋愛成就、良縁祈願を願う言葉がたくさん書かれています。恋愛運向上のパワースポットとして人気のある場所です。ぜひともお詣りしてください。
日向大神宮の絵馬です。この絵馬に描いてある、鳥居のところまで行ってみましょう。
伊勢大神宮遥拝所
「日向」とは読んで字のごとく、日に向かうということで、お伊勢さんを指します。日向大神宮には、「伊勢大神宮遥拝所」があります。
右 山上 伊勢遥拝所道 と彫られています。
多くは石段の道ですが、最後はなだらかな山道です。
やってきました、伊勢大神宮遥拝所です。立派な鳥居があります。
正面から。この方向に伊勢大神宮があります。以前は伊勢大神宮が見えたとそうですが、本当なのでしょうか。現在は樹木が覆い茂っていて見ることはできませんが。
この方向には、天智天皇陵もあります。
ちょうど反対方向を見ると、京都市内が眺望できます。
この方向をよく見ると、直線上に平安神宮、御所清和門、左大文字が並んでいます。
つまり、天智天皇陵、伊勢大神宮遥拝所、平安神宮、御所清和門、左大文字がほぼ一直線上に並んでます。何かの偶然とは思えないですよ。
天の岩戸といい、伊勢大神宮遥拝所といい、「日に向かう」というキーワードで、神話の時代をほうふつとさせる京都の隠れスポットです。実は、あまり知られていないのですが、秋の紅葉もとてもきれいなところなので、恋愛成就も兼ねてお詣りしてみてはいかがでしょうか。
アクセス
- 京都市営地下鉄「蹴上」下車、徒歩15分