お隣は神社
以前、「若宮八幡宮」を紹介しましたが、同じ「若宮通り」にある「稲荷福若大明神」を紹介します。
場所は「若宮八幡宮」のもう少し北になります。「若宮八幡宮」は「若宮町」、「稲荷福若大明神」は「上若宮町」と町名こそ違えど、ほんの100mほどの距離なので、同じご町内と言ってもいいほどの近さです。
何かが有名ということもないので当然ガイドブックには載らないし、ご近所さんでないとその存在さえ知らない人ばかりです。でもGoogleMapなんかには掲載されているんですよね。便利な世の中になりました。
とりあえず行ってみます。
京都市バスのバス停でいえば「西洞院六条」が一番近いのですが、バスの本数が少ないので「烏丸六条」から歩く方が交通の便は良さそうです。
狭い道をごそごそと歩いて「若宮通り」に出ました。
この京都らしいローカル感。街並みに溶け込んで、違和感を感じません。「火の用心」の垂れ幕と、防火用水の赤いバケツが下町の雰囲気を醸し出しています。
もろに、「お隣は神社」です。ちゃんと鳥居もありますよ。そしてお決まりのお地蔵さんも鎮座しています。神も仏もなんでもこいの宗教観ですね。
境内(敷地内?)には「稲荷福若大明神」の石票が建っています。とても新しいです。
鳥居の真正面が「稲荷福若大明神」のお社です。左手前の昔の「雨戸」、とっても懐かしいです。
「稲荷福若大明神」の境内には、創祀や変遷を書いた説明書きはありませんでした。Webで調べても、詳しいことは何も出てきません。屋敷社だったんでしょうか。昭和時代の創祀だそうですので、町内の鎮守社という位置づけでしょう。ご近所、町内の方々が維持しているのだと思われます。
京都市内には、こういう小さなお社がいたるところに鎮座しています。そしてたくさんのお地蔵さんも。これが平安時代から培われてきた京都の文化なんですね。「苦しい時の神頼み」と都合のいい時だけ拝むのではなく、日ごろから近くの神社としてお祀りし、参詣することを生活の中に取り入れてきた、神様と同居する文化です。そして、子供たちは地域のお地蔵さんに、その健やかな成長をお願いするという地域の信仰も培われてきました。私の職場にも、祠があり「稲荷神」が祀られています。特別のことではなく、当たり前の日常として生活の中に溶け込んでいます。もしかして、100年、1000年後には大きな神社になってるかな?
アクセス
- 京都市バス「西洞院六条」下車、徒歩2分