北摂に分け入る
さて、また番外編で京都から飛び出したのですが、今回は大阪府です。大阪府と言っても豊能郡能勢町なので、大阪の一番北、京都でいえば丹後を紹介するようなものなのかと思います。で、神社やお寺ではなくて、今回も山登りのお話がメインです。残念ながら、初心者コースなので、冒険はありませんし、転落や滑落と言った、ネタのなるような面白い話もございません。純粋にハイキングの話だと思って読んでください。
もう10年以上前から家にあるハイキングの雑誌で、「能勢の郷」周辺とハイキングコースを紹介しているのが手元にあります。そういえば「能勢の郷」は子供を連れて何回か遊びに行ったけど、ハイキングコースは行ったことがない、ということで9月29日(日)に行ってきました。前日の天気予報では雨とのことでしたが、朝になってみるとほぼ雨は降らないし、午前中はいい天気という予報に変わっていたので、急遽出発です。
能勢の郷 ⇒ 行者山 ⇒ 剣尾山 ⇒ 横尾山 ⇒ 能勢の郷
と一周する初心者向けハイキングコースです。では行ってみましょう。
能勢の郷
カーナビに頼って駐車場まで来ました。この辺りは昔「能勢の郷」と言う名前で、いろいろな施設があり子供連れでにぎわったところです。
レジャー施設があったころは有料だったと思うのですが、現在は無料です。「剣尾山登山の方は、こちらの駐車場をご利用ください。」と書かれています。
今は亡き「能勢の郷」の総合案内図。最初は大阪府の施設でした。利用者数の減少とともに民間に委託したのですが、運営できず平成26年(2014年)3月末で閉鎖されてしまいました。私も子供を連れてアドベンチャーアスレチックやサイクルモノレールで遊んだ記憶があります。
「能勢温泉」もあるのでちょっとだけ見に行ってみましょう。
入り口ゲート付近の案内板には「関係者以外の立入を禁止します」とでかでかと書かれていますね。
その先にある能勢温泉。こちらはまだ営業されています。
「天草大王」という鶏が飼育されているそうです。奥の方に入っているので写真が撮れませんでした。
ま、能勢温泉には興味が無いのでこんなもんにしておいて、登山口の方に行きましょう。
行者山入り口
道草食ってないで、山登り。本筋に戻ります。
登山口は「能勢の郷駐車場」横から登るところもあるのですが、反対側の登山口から登って、駐車場横に出ることにしましょう。なので、少し坂を下って、キャンプ場の南側を大回りして山の方に行きます。
「おおさか環状自然歩道」の案内図です。
登山者用のトイレがあります。
路上駐車をされると困るので、駐車場の案内があります。
登山道の入り口です。
「右 是より行者道」の石票です。
「行者山の史跡と由来」の案内板。奈良時代から開けたようですね。歴史があります。
みなさん、やっぱり「剣尾山」を目指すようですね。
さて、ポチポチと歩きます。入り口は道幅も広く快適ですよ。
坂になると、丸太の階段が出現します。
横の斜面は急ですね。
斜めに上がっていくので、適度な傾斜で、足のウォーミングアップにはもってこいです。
斜面のあちこちにでっかい岩が露出してます。
こっちにも...これ、転がり落ちたら、少々の木々はなぎ倒していくでしょうね。
今まで登ってきた道です。能勢の郷の近くなので、よく整備されています。
おお、巨岩が出現。
巨岩には「大日如来像」が描かれています。描くというよりも彫られていますね。
整備された道で真っ直ぐ登って行ってもいいのですが、なんか「行場めぐり」と横道の案内が書かれています。う~ん、行ってみよっか。
本道を外れて、獣道のような狭い道に入りました。
すぐに「胎内くぐり」という岩に出ます。
この穴をくぐるんですね。私にはちょっと無理。
この岩の上まで登ります。さっきの案内図には石の右側にロープと書かれていたのですが発見できません。
で、仕方ないので、上り易そうな岩の左側を行きます。けっこう急ですよ。
「胎内くぐり」の岩の上から見た穴です。ま、通れないこともないか。さて、歩を進めましょう。
「胎内くぐり」の少し先にある「西の覗き」と書かれた岩の上です。確かに西方向の景色はきれいです。
続いて「ありの戸渡り」と書かれた岩です。
上に立つと、こりゃあいい景色だわい。
道が良くわからないので、少しうろうろ。
また岩が見えます。
ここも景色良いよ。
その背後を上っていきましょう。そのうち先ほどの本道に出るでしょう。
ということで、しばらく上ると本道に合流しました。左へ行きます。
と、すぐに「行者山」の頂上でした。まずは第1の山制覇しました。まだつかれていないので、もう少し歩きましょう。
あまり手入れはされていないようですが、杉林が続きます。
「風の峠」まで来ました。
道はなだらかな登りです。
道幅があるので苦労することもないし、また道を間違うこともないでしょう。
「おおさか環状自然歩道」の標識です。次は「六地蔵」を目指します。
午前中は天気も良く、秋の日差しが心地良いです。
相変わらず、大きな岩がありますね。
だいぶんと古くなった「ニホンジカについて」と書かれた注意喚起の案内板。昔は保護対象だったんでしょうけど、最近は増えすぎていて、山麓まで下りてきて悪さをするようになってきました。
なんか立ってます。
「炭焼窯跡」?
これですか。こんなところでも炭を焼いていたんですね。
どんどん進みます。
今日初めての、道をふさぐ倒木。ま、余裕ですけど。
登った上の方になんか見えます。
「六地蔵」まで来ました。ちょっと休憩して水分補強します。
月峯寺跡
あんパン食べて、水分補給して、ホッとしました。道がなだらかなのでまだ余裕があります。
こんどは「剣尾山山頂」を目指しましょう。
しばらく歩くと「月峯寺跡」に来ました。平安時代から信仰があったようで、鎌倉時代の石造物などが見られます。
かつては10数棟の大伽藍だったようで、辺り一面名残が確認できます。
あちこち無造作に、何かが彫られた石が打ち捨てられたようにあります。
あれ? これは炭焼窯?
石仏の並び。
「鐘楼跡」の看板。
石の土台部分が残ってます。
六角形の石。灯籠でも乗ってたのでしょうか。
ここにも建物があったようです。
「本堂跡」の看板。
広場の様になってます。
石の基壇で周りよりも少し高くなってますね。
よく見ると、柱を差し込んでいたであろう穴の開いた基礎石があります。
「井戸跡」の看板。
ほぼ埋まってますが、水が溜まってカエルが泳いでいます。
さて、先を急ぎます。
しばらくあること、おお、見えてきました。
「剣尾山」山頂です。でっかい看板だこと。
遠くに何が見えているのか案内板が建っているのですが、字がはげかけているのであんまり読めません。
景色は最高。こんないい景色がお手軽に楽しめるのですから、登らない手はないですよ。
とっても遠くまで見渡せます。来てよかった。
この案内板の周りにも座れる石はたくさんありますが、日陰は少ないです。真夏はちょっと暑いかな。
少し休憩しましょう。カンカン照りではないですけど、やはり汗はかくので、こまめな水分補給を心掛けます。
望遠すると、私の住む亀岡氏も見えますよ。正面の飛び出た山は「比叡山」です。
さて、英気を養ったので、今度は「横尾山」を目指します。
横尾山
「剣尾山」から「横尾山」までは尾根伝いに少々アップダウンのある山道です。
途中、分岐路があるんですが、はっきりした標識があるので読み間違うことはないと思います。
ここは昔「摂津国」「丹波国」の国界だったところなんですね。
草むらも低くて歩きやすいところです。
今度は北の方の景色がいいですね。一番遠い山は京都府北部の山々です。
また国界の石票です。その右手には...
でました。
そう「マイクロウェーブ反射板」です。
「横尾反射板」と書かれていますね。こんなところにあったなんて知りませんでした。
もうすぐ「横尾山」の山頂です。
到着です。
「横尾山」山頂。周りを見回したのですが、山頂を示す看板はこれしか見当たりませんでした。ちょっと悲しい。
「横尾山」の山頂からは北方向の景色がきれいです。京都の「瑠璃渓」とかの方向です。
望遠すると見える「深山」の中継所。
景色のいいところなので、お昼にしましょう。今日もパンが中心です。
20分ほど休憩しましたので、駐車場に向かって下山します。しばらくは尾根伝いの道を歩きます。
倒木の根元を見ると、とっても石の多い地質なんですね。土の層がほんとの表面部分だけのようです。
雑木林に突入です。そうこうしていると分岐の看板がありますので、「能勢の郷」の方に降りていきます。
最初下ったのですが、少々登ったりの尾根道です。
ま、なだらかなので歩きやすいですよ。
時々岩場に遭遇します。
でも、階段状になってたり...
サポートがあったりして、とっても歩きやすいです。
送電線の鉄塔が見えてきました。
この岩の向こうですね。
鉄塔の根元の部分に近づいてきました。
鉄塔まで下りてきました。
中に潜って、お約束の一枚。当然斜面なので、真上を見上げていると滑ってこけることもあります。ほんまにアホですな。
これを点検保守する人たちには感謝です。大変な仕事でしょうね。
さて、まだまだ下ります。
徐々に、出発点の「能勢の郷」に近づいています。
「能勢の郷」の「21世紀の森」エリアに入りました。もう迷うことはないでしょう。どんどん下っていきます。
「頂上広場」まで来ました。小山の頂上なんですけど見晴らしは、いまいちです。残念。
「21世紀の森」と銘打ってるだけあって道も整備されていて、階段状になってます。これがまた降りにくいんですよね。
東を見ると、最初に登った「行者山」が見えます。
尾根伝いにゆっくりと下ってます。色々な木が生えてますね。
高度も大分と低くなってきましたよ。
まだまだ下りです。そろそろ膝に来てますよ。
乾燥しているので、スピードがつくと滑ります。慎重に降ります。
「ひと休み峠」に向かいます。
途中にあった「小鳥のテラス」です。小鳥、いませんでした...
いきなり展望が開けました。南西方向が良く見えます。
今から戻る「能勢の郷」の駐車場方向です。
昔、子供と乗ったサイクルモノレールの廃墟が見えています。なんか悲しいですね。子供、大喜びだったのに...
なんか、雲が厚くなってきましたよ。天気予報ではここから西の方で通り雨があるようなので、雨雲の端の方にぶち当たるかもしれません。
今来た方向を振り返ると、あれは「横尾反射板」?
山肌が崩れたのでしょうか、植林がされています。雨が降る前に下山してしまいましょう。
分かれ道に出ましたよ。
「ひと休み峠」です。
「能勢の郷」はもうすぐです。
最後の下り。「つづらおれ峠」です。
笹やシダが多くなってきましたよ。
クリ、落ちてます。
またまた標識があります。
「つづらおれ口」です。後はほぼ平坦地です。
そろそろ出口が近いです。
お、テーブルが見えます。
戻ってきた。
もとの、駐車場に続く道まで戻ってきました。
「能勢の郷」駐車場に到着です。めでたく一周できました。
おかげさんで、雨にも合わずに降りてくることができました。帰りの車で、ひっくり返したようなどしゃ降りに会いました。こんな中では山歩きは困難と思われるようなどしゃ降りで、うまく時間がずれていたことに感謝、感謝です。
今回は番外編、大阪ということで、豊能郡能勢町の「行者山、剣尾山、横尾山」をめぐりました。4時間程度で一周できる展望の良いコースです。道は程よく整備されているし、景色以外にも、旧跡や修行跡など回って見て面白いコースです。良ければ一度歩いてみてください。
アクセス
- 「剣尾山」・・・「能勢の郷」駐車場から「行者山」経由で、歩いて1時間半ほど。