上賀茂伝統的建物群保存地区
上賀茂神社の前の「藤の木通り」を東に行くと、明神川沿いの町並みを「社家」の町並みといって、「上賀茂伝統的建物群保存地区」という名称で、景観の保全が図られています。
「社家」とは特定の神社に仕える神職の家を指します。ここでは上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)に仕える神職を指します。
道沿いの川が「明神川」で、上賀茂神社の境内の「ならの小川」から流れてきています。
この土塀と石橋、中の庭園や建物自体が「社家」という独特の構成の建築となってます。江戸時代にはこのような社家が300件ほどあったのですが、現在は20件余りになっているそうです。
かつての「錦部(にしごり)家」の社家である西村家が有料ではありますが一般公開されていますので、興味のある方は一度ご覧になってください。(朝早かったので、まだ開いてませんでした。)
家の前に小川の清流が流れているというのはとっても風情がありますね。
白川の一本橋(行者橋)のような橋ですね。
賀茂季鷹 社家出身の歌人
賀茂季鷹(かものすえたか)をご存知でしょうか。季鷹は社家に生まれた、江戸時代中期から後期の歌人、国学者です。和歌や狂歌、書に秀でた方だったそうです。
明神川から少し南に入ったところに旧居があります。20歳から江戸で研鑽を積み、京都に帰ってからは上賀茂神社の祠官となりました。京都の文人の代表的存在となり、京都歌壇を二分するほど勢力があったそうです。
賀茂季鷹はここに吉野の桜と龍田の紅葉を植栽し、「雲錦亭」と名付けて住みました。
三芳野の よしや雲には まがふ共 雪とな散そ 山さくら花
現在でも、この旧居には子孫の方が住まわれているそうです。
上賀茂神社にお参りの時には、神社に仕えている神職の「社家」も合わせてごらんになってください。明神川沿いの景観を見て回るだけでもゆったりとできますよ。室町時代から続く、上賀茂の雰囲気を味わっていただきたいです。
アクセス
- 京都市バス「上賀茂神社前」下車、徒歩4分