滑落? 危機一髪
10月7日(水)は有給休暇を取りました。
こいつ、また遊びほうけてんな、と思われそうですが、実はその通りです。
つーか、来年の1月末までにまだ15日の有給を取らなくてはいけないんです。うらやましいという声も聞こえてくるのでしょうが、休んだからと言って仕事が減るわけではないのでそれはそれで大変なんですよ。世間のブラックさんでは有給なんて全然取れないらしいので、まぁ、恵まれてはいるんでしょうね。
前日の天気予報では、夜になってから急に天気が崩れるとのことなので、朝早くから山歩きをすることにしました。
今回は、以前から気になっていたルートを通って愛宕山に登ります。愛宕山にはいろいろな登山ルートがあって、いろいろな人がレポートを上げています。私もこのBlogでいろいろな道を紹介していますが、まだ通ったことのないルートもいくつか存在します。
その中で、今回は「岩ヶ谷」というルートを登ってみたいと思います。
先に言っときます。 やめといた方がいいです。 何にもいいことありません。
行ってきてからこんなこと言うのもあれですが、もし行くとしても晴天が続いた後がいいし、もし途中でアカンと思ったらすぐに引き返してください。
できれば複数で行く方がいいと思います。なんかあった時に一人では対処出来そうにないです。(登る人は自己責任で行ってください。当方、責任持てません。)
ま、行くまではそんなこと思ってませんでしたけど...
いつもの通勤電車で6時11分に保津峡駅着です。会社行く人、サイナラ~。今日も頑張ってきてくださいよ~。でへへ。
少しうろこ雲出てますがいい天気じゃないですか。
つーことで、保津峡駅から「岩ヶ谷」の取り付きに向かいます。
「岩ヶ谷」は「水尾の里」からもう少し北の山の中から入山します。
お、お月さんじゃないですか。写真にとるとこんな大きさですが、実際に目で見ているとはるかに大きいです。
車道を歩いていくのもなんですし、遊歩道に降りましょう。こっちの方が距離も短いですよ。
「明智越」の分かれ道。今日は遊歩道を進んで「水尾」に向かいます。
蕎麦の花が咲いています。最近は色々な所で見かけますね。
遊歩道も終わりです。「水尾」の集落に突入します。
水尾の自治会の建物。¥500-で駐車出来ますし、トイレがあります。保津峡駅との間に自治会のバスの運行があります。一般人でも乗れますよ。
これからは観光シーズンですので、真冬になるまでは本数が多いです。
お、いきなりカニ発見。車に踏みつぶされるとかわいそうなので、横の側溝に逃がしてやりました。
「水尾」の集落です。
「愛宕山」の登り口は右です。
朝早いからもあるのですが、誰とも出会いません。
集落の真ん中辺です。
集落の出口あたりです。「清和天皇陵」はここから左に降りていきます。
もうじきですよ。
あのカーブミラーの所が「岩ヶ谷」の取り付きです。
この渓流沿いに登って行きます。
20mほど道を進むともう一つ渓流があるのですが、こちらは「猪ヶ谷」です。こちらからも登れるのですが、また今度。
さて、「岩ヶ谷」から登ります。準備完了、ただ今7時15分です。入り口に倒木2本。なんか来るな!って言ってるみたいですね。う~ん。
ま、ええわい。アカンかったら引き返せばいいねん。
朽ちた丸太橋。乗っても折れませんでした。
2年前の台風でたくさんの倒木が道をふさいでいたのですが、けっこう木を切ってくれています。
さすが「岩ヶ谷」。いっぱいです。
谷の両側は植林がされた杉林です。
渓流は細いですが、けっこうな流量ですね。
見ての通り、渓流沿いも傾斜がきついです。この辺の倒木はまだ余裕ですね。くぐったり乗り越えたり。
台風で流されてきた杉の枝と倒木が折り重なっていてだんだんと歩きにくくなってきました。
振り返るとこんなんです。やっぱ、傾斜きついですね。われながらよく登ってます。
う~ん。 途方に暮れる。地面をよく見ると、動物の足跡が続いているので、獣道をたどります。たぶん鹿の足跡でしょう。
うまくう回できました。
上から覗き込むように写真撮ってますが、昔の古道の石垣跡です。ところどころ残ってます。
ま、この辺も端の方を通ればなんとか行けますね。
ここは余裕です。
しかし、延々と続きます。
疲れてくると、真上を見上げて気分転換。
ガレ場と倒木の繰り返しです。ほんでもって、いつまでも急坂。ええかげん楽になってよ。
おお、ちょっと楽になったよ。
谷が深くなって、谷に沿ってしか行けなくなってきました。
倒木はあるものの、谷に沿って上がれますね。
石垣が続いています。いつごろのものでしょうかね。
一挙に狭くなってきました。この狭さ、台風のときにはすごい流量だったんでしょうね。
石垣は崩れずに残っています。
ずいずいと進みます。これぐらいなら歩きやすいですよ。
ごちゃまぜ。岩の上を歩かねばならないんですが、晴天続きだったので乾いていて滑ることはありません。
獣の歩いた跡が残ってますので、行けますよ。どんどん行きましょう。
ここは大変でしたが、なんとか馬力で越えました。
しかし、次の関門で万事休す。これはさすがに進めません。完全な倒木帯です。100m弱ほど続いていそうな感じです。苦も無く登れるのではという浅はかな望みは潰えてしまいました...
まずは天を仰ぎます。このぽっかりと空いた空間の部分が土砂崩れで谷へ流れ込んだんでしょうね。空が青いです。
進行方向右側は垂直に近い岩盤なので取り付く島がありません。上の画像に見える、谷の左手方向の地滑りを起こした斜面沿いに登って行きましょう。もっと手前から左に大きく巻こうかと思ったのですが、下草刈りをしていない急斜面なので登れそうにもありません。
まずは堆積した倒木群を乗り越えます。
この斜面、傾斜が60度ぐらいあるんでないかい? ま、登ってみるか。
つーことでほぼ張り付くようになって四つん這いでそろそろと登り始めたのですが...上の画像にあるサカサマになった倒木の2/3ぐらいの所で...
ズ、ズズ、ズザーーーー、「ひょえ~~~~~~~~!」って大声で叫びながら転げ落ちてきました。(動物もびっくりして逃げたことでしょう。)
は~、心臓バクバク。冷や汗がザーッと引き出します。何とか斜面の途中で止まりました。 久々に恐怖体験。
下を見ると、倒木。あの中に突っ込まなくてよかった...
今度はもっと左側を...
せいやっ、せいやっ...
「お、お、お、うお~~~~~~!」 (またかよ~~~っ!)
めげません。
あの滑り出しの瞬間、忘れられません。スローモーション見てるような感覚。自分の両足がかかっている石の部分や両手が握っている土の部分が一斉にじんわりと滑り出し、「ア、アカン...」と焦りながらも何とか斜面に張り付こうとするのですが、どうしようもなく滑り落ちていきます...
自分でもアホやと思いますけど、やめられません。
それでも何回か繰り返して登ります。この傾斜、こんなところで写真撮ってる場合やないっ。
まだまだ続きます。 しかしとんでもない傾斜が続くなぁ。どんどん垂直に近くなってくるんですけど...
恐る恐る振り返ると、ちょっと景色が良くなって来てますよ。滑り落ちそうですが、手ェぶるぶるで写真撮ってます。
最後は引っぱっても落ちてきそうにない倒木をひっつかんで登ります。
ほんまに、うっひょーな景色ですわ。斜面距離にしたら150m以上は登りましたよ。
真横を見ると、こんな傾斜です。
しかし、ようこんなところ上って来たなぁ。晴天続きで、斜面が乾いていたのがラッキーでした。
地滑りしたところの一番上から。亀岡市内が見えています。
さ、谷から大分と離れたので、軌道修正です。右方向に等高線に沿って進みましょう。
お、見えてきましたよ。
リカバリーです。
渓流はだいぶんと小さくなりましたが、まだ水は流れています。
さて、また「岩ヶ谷」を登りましょう。
石に着く苔が多くなってきましたね。
相変わらず両側の斜面は傾斜が強いです。
台風で落ちた枝等が堆積していて谷を外れると歩きにくそうです。
倒木も小さくなってきました。
石垣は続いています。
獣の歩いた跡はずっと続いています。
石垣のある方の岸の方が歩きにくいところもあります。
もうこの道が整備されることはないのかなぁ。
今度は流れの右手の方が植林された林で歩きやすそうです。
立派な杉の木が並んでます。
ぼちぼちと、水が見えなくなってきました。ところどころでしか確認できません。
岩だけは相変わらずごろごろとしています。
ほんまにね、けっこうな傾斜です。一歩一歩の歩みがだんだんと遅くなってきました。アキレス腱からふくらはぎにかけてが、パンパンに張ってきてます。
振り返るとこんなんです。そういえば、ここまでしっかりとした休憩をとっていないので、ちょっと小休止。腰を下ろしてパンをほおばります。
さて、パンを食ったら出発です。もうほとんど水が見えません。
動物の足跡は続いています。
お、林の向こうに太陽発見。
だいぶんと上り詰めてきましたね。
岩の続く流れの部分とは別れて、右方向に道が伸びています。
そろそろ稜線にたどり着きそうです。
お、なんか見えてきた!
登り切りました。「樒原」から続くジープ道に出ましたよ。
ジープ道を右手の方に行くと愛宕神社です。
今登ってきた「岩ケ谷」を振り返ります。最後だけは歩きやすい道でしたね。
さ、愛宕神社の方に行きましょう。
すぐに「首なし地蔵」方面の分かれ道です。
お地蔵さんたち。無事に登れました。ありがとうございます。
比叡山が見えました。薄曇りですね。日焼けしなくていいです。
京都市内もぼ~っとかすんでます。
「月輪寺」「大杉谷林道」の分岐点。
境内の石段のところに出ました。
これを登れば「愛宕神社」です。 今回もごめんなさいです。
社務所前の休憩場所に行きましょう。
前にも書きましたけど、これなんなんですか? 不明。
さてさて、京都市内を見下ろしながら休憩です。ただいま9:15、2時間ほどで登れました。またまたパンを食べてカロリー補給。10分ほど休憩です。例のごとく休憩所にはだれもいません。はぁ~のんびり。
さ、今度は下山です。どの道から下山しようか考えていなかったのですが、とりあえず表参道から「水尾分かれ」までは行きましょう。
また来ます。サイナラ~。
「黒門」まで下りてきました。
「黒門」もサイナラ~。
いつも見る景色のいいところ...
亀岡も良く見え...
京都市も良く見えます。
「ハナ売り場」です。
時刻表の方は登る前に「水尾」の自治会で見たのと同じでした。
今日は「岩ケ谷」も初めてでしたが、まだ通ったことのない「中尾根」を通ってみましょう。「水尾分かれ」から「荒神峠(長坂峠)」へ下りて、そこから「中尾根」を通って保津峡駅に行くルートです。
表参道から分かれて「荒神峠(長坂峠)」へ下ります。
「ひゃっは~」で駆け降りるように下ります。
「荒神峠」に到着。いつもはこのまま「ツツジ尾根」を通って保津峡駅に向かいますが、「米買い道」を少し水尾の方(西)に進んで、「中尾根」を通ります。
初めて通る道なのでワクワクします。
遠くから見ると「タヌキのわかれ」に見えたのですが、近づくと「クヌギのわかれ」でした...
「米買い道」も2年前の台風で倒木が多いです。
でも、何とか通れますよ。
ここもくぐったり乗り越えたり。「岩ケ谷」に比べれば楽勝です。
保津川の塗行には「唐櫃越え」が見えています。
斜面を横切るのですが、道になってないよぉ~。ずり落ちていきそう...
おお、久々に見ました。
沢を超える橋だったもの。朽ち果ててバラバラ。
「大岩」の立て札。どれ、どれ?
これですか。
「大岩」の次の右カーブが「中尾根」への分岐点です。このこんもりとした盛り上がりのどちら側にも道がついてます。
「中尾根」に入りました。
むっちゃ歩きやすいですよ。
ほぼ尾根伝いに進みます。あまりアップダウンもなく、延々と尾根を歩きます。見晴らしは×。
なんか全然面白くないうちに最後の下り坂になってしまいました。
朝歩いてきた道が見えてきました。
「中尾根」終了です。
ここに下りてきます。
さ、あとは保津峡駅を目指します。
後半はあっけない感じで下山してきましたが、「岩ケ谷」は久々にやる気を出させてくれる難所でした。まぁ、私のような初心者にはこれぐらいが関の山でしょうな。技術も装備も大したことないし。(ちなみに今日はけっこうツルツルのトレッキングシューズでしたよ...反省)
有休取って怪我でもした日にゃぁ、それこそサイナラ~なので山歩き程度で楽しみます。みなさんも、くれぐれも無理のない範囲で楽しんでくださいね。
今度は「猪ヶ谷」の方にチャレンジしたいと思います。
アクセス
- 岩ヶ谷 取り付き・・・JR嵯峨野線「保津峡駅」から徒歩1時間