私が悪うございました...
さて、しまなみ海道の旅、2回目です。
「大三島」で自転車をお借りして橋を渡り、隣の「生口島」にやって来ました。「島ごと美術館」の作品などを見ながら、そよ風で爽快な海岸通りを走ってきましたが、ここからは少し海を離れてお寺にお参りです。
『ガイドブックに載らない京都』という名前を付けているのでお察しのことと思いますが、比較的、神社仏閣には心惹かれるところがあり、脈絡もなく足を向けてしまいます。で、特に無名のところが良かった時なんかには、小躍りして喜んでいるのですが、私自身は特別神社仏閣に詳しいわけでも、信心深いわけでもありません。そういえばお盆やったなぁ、とご先祖さんの墓参りを忘れてたりする罰当たりな人間ゆえ、因果応報の天罰がよく下っています。
ま、そんなことはどうでもいいのですが、今回訪れた「耕三寺」というお寺、全然前知識もなく、旅のおすすめルートなんかには出てくるので「この辺りでは一番大きなお寺なのかな...」程度にしか思っていませんでした。
今思い返してみると「多々羅大橋」を渡って自転車道から国道317号線に出たところに、いきなり「耕三寺こっち!」って、公的な道路標識がありました。「生口島の観光なんてここぐらいしかないのか...」なんて不謹慎に考えていたのですが、行ってみて大変びっくりしました。
声を大にして言います。「生口島に来たら、ぜったい耕三寺にお詣りするべし。それもできれば快晴のときに!」
この「快晴」というところにも大きな理由があって、今回はたまたま「快晴」だったのですが、曇天や雨だったら、こんなに感動することもなかったかもしれません。
ま、前置きはこのくらいにしておいて「耕三寺」です。
潮聲山 耕三寺
「しおまち商店街」でコロッケを食べて少し落ち着きを取り戻した11時、商店街のお隣にある「耕三寺」にやって来ました。
門前です。ひなびた寺院を想像していたのですが、ぜんぜんきらびやかなたたずまい。
どど~ん。 石柱も立派です。
一瞬、ここはどこ? と思ってしまう山門ですが、いざ中へ。
この中門も、なにがしか琉球チックな印象です。
あちこちに金の装飾が施されています。
仏像も赤が基調です。
京都ではなかなか見られない色彩ですね。
季節がらハスの花。
嫁はんが入場券買ってる間にハスの花撮影。
もうお昼前なので閉じかけているのと散りかけているのばかりです。ちょっと残念。
案内図です。耕三寺は「博物館」なんですね。
「登録有形文化財」に指定されています。
中門の裏側。
さて、入場券をゲットしたので散策開始です。まずは中央の階段を上って「五重塔」を見に行きましょう。
けっこうな大きさの「五重塔」です。思っていたより大きくてびっくり。
昭和30年に建てられたそうです。
「大慈母塔」と扁額にあります。
ガラスがあるのでちょっと撮りづらいです。
すごく豪華絢爛な彫刻ですね。
「五重塔」の左手には「僧宝蔵」という建物があります。中には寺宝が展示されていますが写真撮影は禁止です。
夏の日差しを浴びてアジサイがきれいに咲いてます。
さ、もう一段上に上がりましょう。
石段の上は「考養門」です。
これはまたすごい彫刻です。
造るの大変だったでしょう。
むっちゃ細かいです。
どこを見ても色彩豊か。
「考養門」の内側です。
「考養門」の中に「本堂」です。
朱が鮮やかです。まぶしいぐらいです。
ここもガラスがあるので写しにくいですね。
本堂から振り返る。金曜日だからなのか、見に来ている人がほとんどいません。貸切状態です。
水路の中にはでっかい錦鯉。 パクパクしてます。
世俗的な私はどんだけお金かかってるんだろうと考えてしまいます。
「本堂」の横の「信楽殿」です。
本堂の左側に大仏です。
天国を極める 未来心の丘
で、ここからが本番。
GoogleMapでもこの「未来心の丘」がでかでかと出てくるので、まぁ、なんかあるんやな、ぐらいに思っていたのですが...
道案内なのですが、薄暗いところにあるのでちょっと怖い感じがします。
「未来心の丘」は「巍々園(ぎぎえん)」という名前だそうです。
「未来心の丘 入口」とあります。 うへぇ、ここまで登ってきてまだ階段? つーあなた。心配せずとも階段の右側はエレベーターですよ。
そら当然わしもエレベーター。 エレベーターから出ると景色が一変。
白い大理石の道が続きます。 一瞬にして別世界。
もうすでにこの道が「そよ風の道」という作品です。
何か立ってます。
「天猫」という作品だそうです。
よく見ると真ん中に猫がいます。
ささ、どんどん登って行きましょうぞ。
もう、大理石の世界です。
おおおおお、ほんとに別世界。 お寺の山の上だとは思えません。
あそこが一番高いところのようです。 行ってみましょう。
いやぁ、これはすごい。
「光明の塔」という作品のようです。
すげ~。 青空に映えています。 むっちゃきれいですよ。
「光明の塔」から見る瀬戸内海。 もはや瀬戸内海ではなくエーゲ海ですよ、エーゲ海。(行ったことないけど...)
うっひゃあ~の景色です。 これはしんどい思いして登って来た甲斐がありました。
いやぁ、こんなところ貸切でええんやろか? わしら夫婦しかおりまへんで。
やっぱり、青空の青と大理石の白がバッチリですね。 これは天気の良い時に見に来た方が良いですよ。
行ったことないけど、ギリシャとかの地中海ってこんなところなんやろなぁ。まさに天国ですよ、天国。 この世の楽園。
これ全部、イタリアから運んだそうです。
少し離れた所か見た写真。 ほんまに別世界出現という感じ。
「光明の塔」から一段下がったところにある作品。
「未来からの炎」と題されています。
いやぁ、すごかった。30分以上写真撮ってました。
さて、今度は階段の方を下りていきます。
天国からだんだんと俗世間に降りてきた感じがします。
俗世間に到着? 本堂の裏側ですが、この辺りにも仏像がたくさんあります。
ちょっと西洋風のもあったりして。
で、本堂の右手にある「千仏洞地獄峡」に入りましょう。天国からいきなり地獄です。ま、わしは多分こっちやろうけど...
「千仏洞」いうぐらいやから仏像がいっぱい。
地獄で仏とはこのことか。お釈迦さんの仏像です。ありがたや、ありがたや。
おお、出ました閻魔さん。そうすると、左側は「小野篁」かな? で、右下でちっこくなってるのがわしか...
この後、仏像のある通路が続き、「○○地獄」と色々な地獄を描いた「地獄極楽画図」が順番に掲げられているのですが、写真はちょっと割愛。
そうかぁ、「悪いことしたらあの世で地獄に落ちるんやで。毎日、火あぶりとか針山とかの刑にされるんやで。」とジジババが子供に説教して怖がらせる趣旨の洞窟なんやな、と勝手に思い込んでいたのですが、ぜんぜん違ってました。
少し行くと滝が流れています。とっても涼しいです。
滝の周りにも多くの仏像。
鍾乳洞のように水が流れています。
もう少し行くと...
これはびっくり、圧巻の仏像群です。 地下にこんな空間作っているなんて、ひょえ~でしかありません。
たしかに「千仏洞」です。
通路の周りも仏像で埋め尽くされています。
こういうのを見ると一筋の光明というのが良くわかります。
今度は地の底から少しずつ上がって行きます。
地獄に落ちた人間でも仏さんが見守ってくれている、と言ってるような気がします。
地獄から地上に上がってきました。
やっと出口です。
出口には「救世観音大尊像」が見下ろしています。
う~ん、すごく考えさせられる体験です。罰当たりな私は、改心せなあかんなぁと少し思ったのでした。
天国から地獄、そして現世へと戻ってきた感じで出口の方に進んでいきます。
地獄の後にこのきらびやかな装飾を見ると、現世はほんとに良いところなんだとつくづく思います。
まだ見てなかった、五重塔の右手にある「法宝殿」です。こちらも寺宝を展示していますが写真撮影は禁止です。
さて、最後に出口にあった映えスポット。
「蓮の葉シャワー」です。
これもすごいですね。根っこの蓮根と同じようにハスの葉脈も中空なんでしょうか。
という具合に「耕三寺」を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。私のBlogの小さい写真では、なかなか感動を伝えられませんが行ってみて損はないところです。入場料は大人\1,400-と少々お高いですが小中学生は無料、かつ中学生以下のお子さんがいらっしゃると団体料金(\200-引き)で入れますので、ぜひとも足をお運びください。
さて、2時間で「生口島」を回って11時に「大三島」に帰るという当初の計画はいきなりとん挫してただ今12時30分。でも、このまま「生口島」を一周しきってから「大三島」に戻ります。
それ、自転車レツゴー。
アクセス
- しまなみ海道「生口島北IC」より車で15分程度