貴族の京都 庶民の京都
「烏丸御池遺跡」なんて言うと、京都の人でも「え?そんなのどこにあるの?」と疑問に思うことでしょう。
「烏丸御池」は京都の真ん中のオフィス街です。NHK京都放送局が近いので、天気予報の後などの幕間に、ライブカメラの「烏丸御池」交差点が映し出されることが多いです。その映像でメインに写されるのが「ニチコン」のビル。夜はまばゆいライトがとってもきれいで絵になるんですよ。
で、「烏丸御池遺跡」はその「ニチコン」のビルの真ん前にあります。
新しい石碑でしょ。
「烏丸御池」は京都市営地下鉄の烏丸線と東西線が交わる交通の要所です。地下鉄を建設するにあたっては、時間をかけて遺跡の調査を行いました。そしていろいろな発見がありました。後ろに見えている屋根は、地下鉄への出入り口の階段です。
地下鉄 烏丸御池駅
京都市営地下鉄「烏丸御池」駅の地下通路には、発掘された埋蔵文化財が展示されています。
昔はもっとたくさん展示スペースがあった気がするんですけど、これぐらいでしたかな?
あまり見ていく人もおらず寂しい限りですが、観光地ではなく通勤の要所なので仕方ありませんね。
京都は平安京以降のことばかり取り上げられますが、当然、縄文時代や弥生時代があったんですよ。
いろいろな地域のものが京都まで運ばれていた証拠ですね。
播磨からわざわざ持ってきたとは。
丹波ならまだ近いですね。
こちらは京都産。
模様が良いですね。
三つ巴が使われています。
そういえば、京都でも「下駄屋さん」がなくなりましたね。私が小さいころは「靴屋さん」ではなく「下駄屋さん」がたくさんありましたよ。
素朴な模様です。
下駄なんですけど、ライトが暗くて移りが悪いですね。ガラスケースなのでフラッシュがうまく使えませんでした。
これはすごいぞ、というような埋蔵文化財は展示されていませんが、通り道なので通る機会があれば一度見てみてください。平安京だ、藤原氏だと京都は貴族ばっかりが住んでいたように思われますが、そんなことはなく、庶民の方がよっぽどたくさん住んでいた証拠です。こういう生活に根差した埋蔵文化財は、その時代時代の生活や風俗がよくわかるので見ていて飽きません。私たちが今使っている瓦や茶碗も京都市内の真ん中に埋めておくと、「平成遺跡」として後世展示されるのかもしれませんね。いらなくなった携帯やスマホ埋めとくと面白いかもしれません。
アクセス
- 京都市バス「烏丸御池」下車、徒歩すぐ
- 京都市営地下鉄「烏丸御池」下車、改札を出てすぐ