鴨川 風光明媚
今回は歌碑の紹介です。通称「鴨川四季の歌碑」と呼ばれているようです。
京都市内には、それこそ数えきれないぐらいの歌碑がありますが、とってもマイナーな歌碑です。
Webで調べてもあまり検索にヒットしません。これが作られたのも最近なのか、けっこう新しい感じです。平成になってからではないでしょうか。京都民でもほぼ知らないでしょうし、和歌に精通した人ぐらいしか興味を持たないのかもしれませんね。
場所は鴨川東岸で、鴨川と疎水が合流する地点です。通りで言うと「川端通り」と「冷泉通り」の交差点です。
では行ってみます。
川端丸太町から鴨川の東岸を川端通り沿いに歩きます。
並行して走る、鴨川沿いの散策路も疎水を超えるので橋になってます。
川端通も疎水を超えるので「田辺小橋」という橋になっています。
その「田辺小橋」の真上に「賀茂川四季の歌碑」があります。
扇に書かれているのが良いセンスですね。
桜花ちりかひかすむ春の夜の
おぼろ月夜のかもの川風 実朝
まさに、今の季節「春」の歌ですね。公暁に暗殺され、わずか28才で亡くなった鎌倉幕府3代将軍「源実朝」の歌です。歌人としても有名で、92首が勅撰和歌集に入集し、小倉百人一首にも鎌倉右大臣として選ばれています。家集として「金槐和歌集」があります。
ちはやぶるかもの川べの藤波は
かけてわするゝ時のなきかな 兵衛
心すむためしなりけり
ちはやぶるかものかはらの秋の夕ぐれ 後鳥羽院
霜うづむかものかはらになく千鳥
氷にやどる月やさむけき 良経
四季それぞれの鴨川が詠われています。
ここはあまり人が通らないところなので、とってももったいない気もしますが、こんなのがあると知っていると、ひそかに優越感に浸れたりします。
私は才能がないので歌は詠めませんが、鴨川は四季を通してよい景色ですよ。
アクセス
- 京都市バス「丸太町京阪前」下車、徒歩5分