西京区を歩く
京都市西京区や右京区には古墳がたくさんあります。その多くが古代の豪族である秦氏の墓であろうと考えられています。秦氏の出自については諸説があり本当のところはわかりません。渡来人であり、土木や養蚕、機織などの技術を駆使して富栄えた一族です。京都では太秦辺りを本拠地にして、松尾大社やもっと南西の洛西辺りまでを支配していました。
秦氏の古墳はいろいろとあって有名なものもあるのですが、今回は先日、京都市西京区をうろついた時に訪れた「上ノ山古墳」です。場所は京都市西京区山田葉室町というところです。京都観光では有名な「苔寺(西芳寺)」の近所です。でも「上ノ山古墳」の方は、はっきり言ってマイナーな古墳です。あまり情報がありません。
ま、そんなことはいいので、とりあえず行ってみましょう。
Webで検索すると、背の高い杉の木に覆われた画像が出てくるのですが、地図上で近づいても一向に杉の木は見えません。住宅街が続いています。
たぶん、ここだ!というところで、道を左折すると見えてきたのは石垣のみ。杉の木はありませんよ。
間違えたかなと思いつつも近づいてみます。
おお、なんか右手の方に見えますよ。確認してみます。
確かに「上ノ山古墳」と石票があります。
間違いないのですが、杉の木はなくなってしまったのでしょうか。
杉の木は伐採されてしまっていますね。切り株と根っこの部分だけが残っています。このこんもりした部分が「上ノ山古墳」ですよ。
直径10mの円墳です。こんもりとしているので古墳だとわかりますが、相当草が蒸しています。石室などは完全に埋まってしまっています。
残念ながら敷地内はおろか、その横の西側の道も立ち入り禁止の看板が出ていますので、無理はせず外からのみ撮影しました。住宅街にポツンと存在する古墳です。
「上ノ山古墳」の南側は隣接して「葉室家(藤原北家)」の墓地になってます。で、そのまた南側には「穀塚古墳(こくづかこふん)」というのがあったのですが、造成されてしまい住宅となっています。「穀塚古墳」があった当時の道が残っているので、そこだけ道が丸くカーブしています。
現在「穀塚古墳跡」は個人のお宅なので、写真は撮りませんでしたが、古墳の形の道路だけが残っているというのも珍しいですね。私は小心者なので、住むのはちょっとご勘弁願いたいですよ。
右京区、西京区は思わぬところで古墳に出くわすので、歩いていて発見が多いです。
アクセス
- 京都市バス「松尾大利町」下車、徒歩10分